愛の戦友

愛の戦友

「愛の戦友」（あいのせんゆう）は、日本のロックバンド安全地帯が2022年2月25日にリリースした楽曲です。このシングルは、同バンドにとって通算30枚目のものであり、前作「結界」から約11年ぶりの新曲となります。作詞・作曲は玉置浩二が手がけており、ロックの重厚さにポップスや歌謡曲の要素を取り入れた魅力的なサウンドが特徴です。

本作は元々2011年に公開予定だったアルバム『安全地帯XII』の収録曲として取り上げられていましたが、最終的には収録されずお蔵入りとなっていました。2021年にメンバー間で再び話題になり、新たにアレンジが加えられ、シングル曲としてのリリースが決まりました。この際、ストリングスを用いた豪華な仕上がりから、バンドメンバーによる演奏中心のシンプルな形に変更されました。ドラムス担当の田中裕二が療養中だったため、メンバー5人での制作となりました。ギター担当の矢萩渉は、最新の音を生み出すことができたと述べています。

玉置がデモテープをメンバーに提示した際、矢萩はその楽曲の展開に驚きを隠せなかったといいます。制作は難航し、テンポやキーの不一致から3回もレコーディングを重ねたそうです。結果的に、数度の再録音を経てもアルバムには収録されなかった苦い経験があり、ベース担当の六土開正もその背景を振り返っています。矢萩は、田中が演奏したドラムスの音に感動し、六土は長い空白の後に自分の演奏を聞いて迷ったというエピソードを語っています。

「愛の戦友」は、2022年2月25日に日本コロムビアのBETTER DAYSレーベルからマキシシングルとしてリリースされました。この日はバンドのデビュー40周年を記念した特別な日で、デビュー曲「萠黄色のスナップ」との同時リリースでした。リリースの告知を受けて多くのリクエストが寄せられたため、同年2月3日にTOKYO FMのラジオ番組『ONE MORNING』で事前に音源が放送されることになりました。オリコンシングルチャートでは最高18位を記録し、7週間にわたりラインナップに名前を連ねました。

本作の音楽性について矢萩は、「重厚感のあるロックナンバーで、ポップスや歌謡曲的な要素も凝縮された曲」と評価しています。また、次のアルバム『安全地帯XIV〜The Saltmoderate Show〜』の制作時にもレコーディングが行われていましたが、その時は玉置浩二によって本作の収録が見送られたと伝えられています。この背景が本作の独自性を際立たせています。

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、この作品が「愛」「戦友」というテーマを通じ安全地帯の長い歴史を象徴する濃厚な楽曲と評されています。バンドのファンにとっても、特別な意味を持つ一曲となることでしょう。

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