愛の迷路

愛の迷路

「愛の迷路」（あいのめいろ）は、1984年3月21日に登場したチューリップの通算25枚目のシングルです。この楽曲は、当時展開されていたJAL PAK '84キャンペーンのために制作されたイメージソングであり、同年1月に発売されたアルバム『I dream』からリカットされています。しかし、チューリップのファンには喜ばしい出来事ではあったものの、リカット後にCMの放送が終了していたため、期待されていたヒットにはつながりませんでした。

楽曲の歌詞には「Fly」「Sky」「飛ぶのだろう」「大きな空だから」といった空を意識した表現が散りばめられており、その背景には航空会社のキャンペーンソングとしての役割があることが伺えます。財津和夫は後のインタビューで、当時感じていたバンド内の緊張感や不協和音の存在を明らかにし、曲のタイトルに「迷路」という言葉が入っていることもそれに関連しているのではないかと回顧しています。

この楽曲で際立つのは、財津の力強いハイトーンボイスです。また、1984年秋から行われたツアー「Live act TULIP 「Out of Our Time」」の模様が放送されたテレビ番組「チューリップ1985」では、ギタリスト安部俊幸の演奏をフィーチャーした映像が使用され、観る者に強い印象を残しました。その年の8月には、芦ノ湖で開催されたライブ「Live act TULIP TULIP LAND in 芦ノ湖 8・11パゴダ」でも本曲が披露され、貴重な映像が残されています。

シングルのジャケット写真は、表面がアルバム『I dream』と同じショットが使用されており、裏面には別の写真が採用されています。このシングルを最後に、チューリップは1972年のデビュー以来12年在籍した東芝EMI（EXPRESS）レーベルから離れ、新たにプロデューサーの新田和長が設立したファンハウスへと移籍しました。これは、バンドとしての新たなスタートを意味しており、多くのファンの期待が高まる瞬間でした。

曲目

全曲作詞：財津和夫、編曲：チューリップ

1. 愛の迷路
作曲：財津和夫

2. この小さな掌 ～詩歩子へ～（ライヴ・ヴァージョン）
作曲：姫野達也

当時、財津は姫野の長女の可愛らしさをしばしば語り、この曲の詩も彼女に捧げられたものとされています。このシングルには、1983年から1984年にかけて行われたツアー「Live act TULIP「I dream TULIP Concert Tour All Over Japan 1983 Into 1984」での演奏バージョンが収録されています。オリジナルバージョンはアルバム『I dream』に収められています。

「愛の迷路」は、チューリップの音楽活動の一部として、時の流れの中で多くの人々に親しまれる楽曲であり続けています。

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