愛宕神社 (東京都港区)

愛宕神社について

愛宕神社（あたごじんじゃ）は、東京都港区の愛宕一丁目に所在する神社です。この神社では、戦勝や防火の神として崇められる愛宕権現が祀られており、京都にある愛宕神社を総本社としています。創建は徳川家康によって行われ、滋賀県甲賀市にある新宮神社から勧請したことが起源とされています。神社のある愛宕山は、標高25.7メートルの自然にできた山であり、山手線内で最も高い地点です。この場所は江戸を守る神聖な信仰の地ともされています。

祭神

主祭神は火産霊命（ほむすびのみこと）で、その他にも罔象女命、大山祇命、日本武尊、勝軍地蔵菩薩、普賢大菩薩が配祀されています。また、境内には複数の末社も存在し、それぞれに独自の祭神が祀られています。

勝軍地蔵菩薩の歴史

愛宕神社の歴史は1603年に遡ります。徳川家康が勝軍地蔵菩薩を信仰しており、それを勧請して神社が創建されました。当初、信仰されていた勝軍地蔵菩薩は、円福寺に本じ仏として祀られていました。しかし、明治時代の廃仏毀釈により円福寺は廃寺となり、菩薩像は近隣の真福寺に移されました。残念ながら、関東大震災でこの像は焼失しましたが、1934年に復元され、現在は真福寺の前に鎮座しています。

出世の石段の故事

愛宕神社にまつわる有名な逸話として、「寛永三馬術」に登場する曲垣平九郎の話があります。江戸幕府の第三代将軍である徳川家光が愛宕神社の前を通過中、梅の花を取るよう命じました。しかし、急な石段を馬で登ることは困難でした。その中で曲垣平九郎が馬術の腕前を発揮し、梅を摘んで家光に献上しました。家光はその姿勢を称賛し、平九郎は一瞬で名を馳せたとされています。このことから、愛宕神社の正面にある坂道は今でも「出世の石段」と呼ばれ、多くの人が訪れています。

祭事と氏子地域

愛宕神社ではさまざまな祭りが行われています。特に有名なのは6月23日から24日にかけての「千日詣り」で、茅の輪をくぐることで千日分の御利益があるとされています。また、9月の「例大祭」は「出世の石段祭」として知られ、2年に一度神輿が石段を行き来します。愛宕神社の氏子地域は、港区内にあり、新橋や愛宕周辺が中心です。

アクセスと近代的な取り組み

アクセスに関しては、東京メトロ日比谷線の神谷町駅や虎ノ門ヒルズ駅からは徒歩5分、また、JR新橋駅からは徒歩20分で到着します。愛宕神社はIT業界の支援を積極的に取り入れており、ヴァーチャル参拝やデジタルおみくじ、そしてデジタル決済を利用した賽銭を導入しています。これにより、より多くの人々が参拝しやすい環境が整っています。

愛宕神社は歴史と伝説に彩られた場所で、地域の人々や訪れる参拝者にとって重要な存在となっています。

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