愛知県立愛知病院

愛知県立愛知病院の歴史と役割

愛知県立愛知病院は、愛知県岡崎市に位置する公立病院でした。その歴史は1954年に遡り、結核専門病院として開院しました。時間が経つにつれ、病院は様々な変遷を経て、2020年には東海地方では初めての新型コロナウイルス感染症専門病院として新たに開院しました。

組織の変遷

2005年には愛知県がんセンターとの統合により「愛知県がんセンター愛知病院」という名称に改称され、その後一般診療も継続しました。この病院はへき地医療拠点病院および救急告示病院として指定されており、その役割は地域医療において非常に重要なものでした。

さらに2015年には厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」としても指定され、より多くの患者に質の高い医療を提供できるように努めました。腫瘍内科の新設やアニマルセラピーの導入など、最新の医療技術や治療法にも取り組んでいました。

経営統合と市への移管

2018年、愛知県と岡崎市は病院の経営統合について正式な協議を開始しました。本院は県内でも乳がん手術で優れた実績を持っていましたが、経営の不振が続いており、大幅な赤字を抱えていました。これを受け、2019年4月に「岡崎市立愛知病院」と改称され、市へ経営が移管されました。この際、地域がん診療連携やへき地医療拠点病院としての指定は解除されました。

新型コロナウイルス専門病院としての役割

2020年8月、愛知県は岡崎市立愛知病院を新型コロナウイルス専門病院にする準備を進めていると発表しました。その後、開院が決定し、2020年10月には「愛知県立愛知病院」として、再び開院しました。病院は、50床から始まり、最大100床まで拡大することが計画されていました。開院後1ヶ月の間に23人のコロナ患者が入院し、専門の医療チームが患者の治療を支援しました。

業務の休止と廃止

残念ながら、2023年3月31日をもって愛知県立愛知病院は休止状態となりました。その後2024年4月1日には正式に廃止されることが決定されました。これにより、長い歴史を持つこの病院の役割は幕を閉じることとなりました。

診療科目とアクセス

愛知県立愛知病院では、内科、緩和ケア内科、乳腺内科、リハビリテーション科などが診療科目として設置されていました。病院の総病床数は151床で、その内訳は一般病床120床、結核病床25床、感染症病床6床となっていました。

アクセスに関しては、名鉄名古屋本線の「東岡崎駅」または「美合駅」から名鉄バスを利用して「愛知病院前」で下車するのが便利でした。タクシー利用では東岡崎駅から約7分で到着し、東名高速道路岡崎ICからは車で約5分という距離でした。また、最寄りの駅とされる男川駅からは徒歩で30分近くかかるため、公共交通機関の利用が推奨されていました。

このように、愛知県立愛知病院は地域医療における重要な役割を果たしてきた歴史を持つ医療機関でした。

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