愛知銀行 (東海銀行の前身)

愛知銀行の歴史

愛知銀行（あいちぎんこう）は、明治時代の1896年に愛知県名古屋市で創設され、旧藩主や士族出身の銀行として知られています。この銀行は、後に東海銀行（現：三菱UFJ銀行）へと発展するための大切なステップでした。

設立の背景

愛知銀行の設立は、第十一国立銀行と第百三十四国立銀行の営業満期が近づく中で行われました。これらの銀行は設立から20年が経過し、今後の運営について改組が求められていたのです。そのため、大資本の新しい銀行の設立が模索されました。最初は、日本銀行の名古屋支店を開設してもらうことを希望していましたが、これが叶わなかったことが、愛知銀行設立のきっかけとなりました。最終的には、人材の支援を受ける形で設立が実現したのです。

銀行沿革

愛知銀行の年間行事を振り返ると、以下のような重要な出来事がありました。

• - 1896年 (明治29年): 愛知銀行が設立。
• - 1914年 (大正3年): 2月1日に関戸銀行の営業を引き継ぎ、伝馬町支店を開設。8月には、北浜銀行の取り付け騒ぎから影響を受け、愛知銀行でも同様の騒ぎが起こりました。
• - 1915年 (大正4年): 5月に一宮銀行の営業を吸収。
• - 1917年 (大正6年): 東美銀行を合併。
• - 1918年 (大正7年): 大垣銀行や北方銀行、枇杷島銀行の営業も譲受けて、新たな支店を開設しました。
• - 1928年 (昭和3年): 深田銀行の営業を譲受け、さらに室町支店を開設。
• - 1941年 (昭和16年): 最終的に愛知銀行は伊藤銀行と合併し、東海銀行を新たに設立しました。

発起人および歴代頭取

愛知銀行の設立には多くの著名人が関与しました。発起人には、尾張徳川家の第18代当主である徳川義礼や、元藩士の山内正義などが名を連ねています。加えて、第百三十四国立銀行の初代頭取を務めた岡谷惣助をはじめ、各界の専門家が協力しました。

歴代の頭取には、初代の岡谷惣助が1896年の開業時に就任し、1909年には元日本銀行名古屋支店長の渡辺義郎が2代目として就任しました。

資本金の推移

愛知銀行の資本金は設立当初200万円でしたが、数回の変更を経て、1917年には221万円、1918年には700万円、そして1922年には1500万円に達しました。これらの数字は、銀行の成長と多くの合併を反映しています。

愛知銀行はその後、東海銀行として新たな歴史を歩みながら、地域金融業務に貢献する存在となりました。銀行の設立から合併までの道のりを振り返ることで、当時の経済情勢や金融市場の変化も見ることができます。

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