愛知電気鉄道電5形電車

愛知電気鉄道電5形電車について

愛知電気鉄道電5形電車、またの名をデハ1040形電車は、愛知電気鉄道が新たに導入した通勤型の電車です。この車両は1922年に日本車輌製造で製造され、以降数十年にわたり愛知県内で活躍しました。後に愛電が名岐鉄道と合併したことによって名古屋鉄道（名鉄）に改称され、形式もモ1040形に変更されました。

車両の沿革

電5形は、1922年に8両が製造され、全長は15.062メートルで、600V区間用の車両として設計されました。電動機を搭載し、都市間輸送に特化しています。1935年には名岐鉄道と統合が行われ、名古屋鉄道の一員としてその後の運用を始めました。1941年には形式称号の改訂が行われ、デハ1040形からモ1040形に変更されました。

1948年には電装解除が行われ、同車両はク2040形（2041～2048）に改称されました。このころ、車両は1500Vの区間に対応するように改造され、1958年には5両が鋼体化され、ク2700形（2710～2714）に改名されています。残りの3両のうち1両（2043）は廃車となり、2両（2041・2042）の車体は他の車両を再利用してニセスチール化され、600Vで瀬戸線に移されました。その後は揖斐線へも移動し、運用を続けました。

1966年には2041が廃車され、2042は北恵那鉄道へ譲渡され、改称後にク551として活躍します。こちらの車両は北恵那鉄道のモ560形とともに運用され、1978年に北恵那鉄道が廃止されるまで使用されました。また、ク2700形に改造された車両の中から2712〜2714の3両は、高松琴平電気鉄道に譲渡され、1020形として2004年まで使われました。

主要諸元

この電車の主要な技術仕様については以下の通りです：

• - 全長：15,062mm
• - 全幅：2,642mm
• - 全高：4,077mm
• - 自重：26.61t
• - 定員（座席）：100（0）
• - 台車：ブリル27MCB-2

附2形・附2荷形

電5形と同型の制御車として、附2形が1923年に10両製造されました。1927年には形式の改定があり、サハ2000形となりましたが、荷物室を増設していた2009・2010の2両は附2荷形に改称され、その後、サハニ2030形（2030・2031）となりました。さらに、サハ2006・2004の2両は郵便合造車へ変更され、サハユ2010形（2010・2011）となります。1941年の改番により、各車両はク2000形、クユ2010形、クニ2030形に改名されますが、戦後はクニ2030形は荷物室が撤去され、クユ2010形も郵便の使用を停止したため、最終的にはク2000形に統合されました。これらの車両は1959年から1964年にかけて運用されました。

このように、愛知電気鉄道電5形電車は、初期の通勤型電車として、愛知県内の交通の発展に寄与した重要な存在でした。

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