愛野駅 (長崎県)

愛野駅の概要

愛野駅（あいのえき）は、長崎県雲仙市愛野町甲に位置する島原鉄道の駅です。1938年までは雲仙鉄道が運行されていたこの駅は、周辺地域の重要な交通拠点として機能してきました。その名前の由来は、1889年に合併した南高来郡愛津村と野井村に起因する合成地名です。

ここは、同じ島原鉄道の吾妻駅とセットで利用されることが多く、特にカップルや愛妻家から「愛の聖地」として親しまれています。

歴史

愛野駅の歴史は1911年に遡ります。この年の6月20日、島原鉄道により愛野村駅（あいのむらえき）として開業されました。1923年からは温泉軽便鉄道愛野村駅としての業務が始まり、1924年には温泉軽便鉄道が温泉鉄道に改称されました。その後、1933年には温泉鉄道が雲仙鉄道へ譲渡され、1938年には雲仙鉄道が運行を終了しました。

1960年に愛野駅に改称され、その後1971年に業務委託駅となりました。さらに、1984年に貨物取扱が廃止され、1986年には教会風の新しい駅舎が建設されました。2010年には駅舎が新デザインに塗り替えられ、より親しみやすい外観になりました。

駅構造

愛野駅は相対式ホーム2面2線と側線1本を有する地上駅で、2017年より無人駅として運営されています。駅舎は南側のホームに面しており、特徴的な教会風のデザインが施されています。駅舎内には駅事務室、待合所、トイレ、自動販売機が備えられており、北側のホームには屋根付待合所も設置されています。

2009年には駅舎の塗替えデザインが公募され、長崎市の学生の作品を基にしたメルヘンチックな外観に生まれ変わりました。

利用状況

2018年度の愛野駅の利用状況は、年間乗車人員が71,137人、降車人員が78,869人でした。年々の乗降客数の変動が見られ、地域住民や観光客に愛され続けています。

駅周辺

駅の南側には愛野の中心部が広がっており、近隣には愛野総合支所や郵便局、病院、小中学校などが存在します。また、国道251号線も近く、周辺地域へのアクセスが良好です。駅前には温泉軽便鉄道の愛野村駅を示す記念碑や「ほほえみの像」が立てられており、地域の文化を感じることができます。

その他の情報

愛野駅は隣接する吾妻駅と組み合わせて「愛しの吾が妻」となることから、観光客にとって特別な切符として知られています。この路線では「最愛認定証」を販売しており、カップルにとって縁起の良いアイテムとなっています。また、島鉄バスの路線バスも当駅から運行されており、特に加津佐方面へのアクセスが便利です。

このように愛野駅は、歴史的意味合いや地域の中心としての役割を持つだけでなく、多くの人々に愛され続ける駅として、特別な存在感を放っています。

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