感染防止衣

感染防止衣とは、救急事故や災害現場での活動中に、隊員が感染症から身を守るために着用する衣服のことです。近年、感染症予防の重要性が高まるにつれて、その役割がますます重要視されています。

概要

消防の分野では、感染予防の意識が高まるにつれて、感染防止衣の仕様も大きく変化してきました。かつては、白色のコートのような衣服が使用されていましたが、感染予防の観点から、使い捨ての不織布製感染防止衣が主流となりました。さらに最近では、GORE-TEXなどの高機能素材を使用し、ウイルスを透過させない耐久性の高い再利用可能な感染防止衣も普及しています。これらの再利用可能なタイプは、手入れが簡単で経済的であり、感染予防効果も高いため、多くの現場で採用されています。

着用する機関とそれぞれの特色

消防機関

日本では、救急隊だけでなく、救助活動を行うレスキュー隊やポンプ隊なども感染防止衣を着用します。多くの場合、感染防止衣は資器材として扱われますが、救急隊員にとってはほぼ被服として認識されています。一般的な色は水色ですが、レスキュー隊用にオレンジ色の感染防止衣を採用している消防本部もあります。

東京消防庁では、部隊によってデザインが異なり、救急隊とポンプ隊は洗濯して再利用できるナイロン素材の新型タイプを使用しています。一方、特別救助隊や消防救助機動部隊（ハイパーレスキュー）は、動きやすさを重視して使い捨ての不織布製タイプを使用しています。ただし、消防救助機動部隊に所属する救急救命士は、救急隊と同様に再利用可能なタイプを使用しています。

海上保安庁

海上保安庁でも、特殊救難隊や機動救難士が海難救助や救急搬送を行う際に感染防止衣を着用します。

医療機関

医療機関では、ドクターカー出動時など、感染リスクの高い状況で医療スタッフが感染防止衣を着用することがあります。各機関によって使用する感染防止衣の種類や着用基準は異なります。

着用基準

感染防止衣は、感染症患者や出血のある患者に対応する際に着用するのが基本です。しかし、特に救急隊員は感染リスクを考慮して、常時着用している場合も多いです。

使用後

以前は使い捨ての不織布製が主流でしたが、近年ではナイロン製やゴアテックス製など、耐久性や防水性に優れた再利用可能なタイプが増えています。これらの再利用可能な感染防止衣は、洗濯することで数年間使用でき、経済的かつ環境負荷の低減にも貢献します。

参考資料

『Jレスキュー特別編集』イカロス出版
『Jレスキュー』イカロス出版
救急隊関係各法令
北消防署ツイッター　twitter.com/kita_meichan/status/458169694420082689

関連事項

制服
消防隊員
医師
看護師
救急救命士
感染制御学

外部リンク

* 救急隊感染防止衣 - アイテックス

もう一度検索