慈眼寺 (秩父市)

慈眼寺について

慈眼寺（じげんじ）は、埼玉県秩父市に位置する曹洞宗の寺院で、山号は旗下山として知られています。この寺院は、信者にとって癒しと安らぎを提供する場所として、長い歴史を持っています。お寺の本尊には「おん あろりきゃ そわか」という真言があり、ご詠歌には「御手に持つ蓮のははき残りなく 浮世の塵をはけの下寺」と、慈眼寺の精神を象徴するような言葉が刻まれています。

歴史

慈眼寺は、文暦元年（1234年）に秩父札所が創設された後、文明18年（1486年）に開山された寺院です。この寺の初代住職は、曹洞宗広見寺の2世、東雄朔法とされています。歴史の中で、寛政の頃には大火事に襲われ、その時には間口7間、奥行き7間の大きな御堂が焼失しました。その後、全隆興道という人物が江戸に赴き、再建のための寄進を募りましたが、明治11年（1878年）には、再建された御堂も秩父大火によって焼失しました。さらに、その隣にあった惣円寺や大宮学校もこの火事で被害を受けました。最終的に、明治33年（1900年）までの22年間をかけて現在の御堂が完成しました。

薬師堂

境内には薬師瑠璃光如来を祀る薬師堂があり、その上には「瑠璃殿」と書かれた額が掲げられています。薬師瑠璃光如来は特に眼病の治癒や身体の健康、家庭の安全にご利益があるとされています。このため、参拝客は「め」の字を描いた絵馬を多く奉納しています。特に、毎年7月8日には「め薬師」の縁日が開催され、北関東の代表的な祭りとなっています。この日は2万人以上の参拝客で賑わい、秩父三大祭のひとつとして知られています。

メグスリノキ

慈眼寺の境内には、かつて御神木として数本のメグスリノキがありましたが、現在はその姿は見られません。これらの木は平成の初めに植えられたもので、当時は「金の眼茶」というメグスリノキを使用したお茶が販売されていました。このお茶は巡礼者のお土産として人気がありましたが、現在は販売が終了しています。現在の販売先では、札所11番の常楽寺でメグスリノキのお茶やメグスリノキのあめなどが販売されています。

交通アクセス

慈眼寺へのアクセスは、公共交通機関と自動車の両方が利用可能です。JR秩父鉄道の御花畑駅からは約123歩（約1分）の距離にあり、また西武鉄道の西武秩父駅からも徒歩で約5分の立地です。自動車でのアクセスの場合、関越自動車道の花園ICから国道140号および皆野寄居バイパスを利用して約40分ほどで到着します。さらに、無料駐車場も完備されています。

札所の位置

慈眼寺は、秩父札所の一部であり、前後には12番の野坂寺（1.4 km）や14番の今宮坊（0.6 km）があります。巡礼の道をたどることで、歴史や文化に浸ることのできる場所でもあります。さまざまなご利益があるこの寺院を訪れることで、心の平安を得ることができるでしょう。

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