慈道法親王

慈道法親王（じどうほっしんのう）は、1282年に生まれ、1341年に没した鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての法親王です。父は亀山天皇、母は平時仲の娘である帥典侍です。青竜院、十楽院という法号も持っています。

1295年、慈道法親王は青蓮院に入り、親王宣下を受けました。その後、法住寺座主、青蓮院門跡を歴任し、1314年以降は3度にわたり天台[[座主]]に任じられています。さらに、四天王寺別当も務めました。当時の青蓮院は2つの勢力に分かれており、慈道法親王は片方の勢力に属していました。対立する勢力は尊円[[法親王]]を擁立し、鎌倉幕府や朝廷も介入する事態となり、門跡の地位を巡って激しい争いが繰り広げられました。

1314年、慈道法親王は尊円[[法親王]]から門主の地位を奪取しますが、1329年には鎌倉幕府の意向を受けた後醍醐天皇の綸旨により、再び尊円[[法親王]]が門主となります。しかし、1333年に鎌倉幕府が滅亡すると、尊円[[法親王]]は門跡の地位を失い、慈道法親王が復帰しました。その後、後醍醐天皇の仲裁により、1335年には慈道法親王が尊円[[法親王]]を後継者とすることで合意し、青蓮院を譲り、長きにわたる争いは終結しました。

慈道法親王は和歌にも優れた才能を発揮し、「新後撰和歌集」をはじめとする勅撰[[和歌集]]にその作品が収められています。また、家集として「慈道親王集」も残されており、文化人としても高い評価を受けています。彼の生涯は、鎌倉時代後期から南北朝時代という激動の時代における皇族と仏教界の関わりを示す貴重な事例と言えるでしょう。

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