慈願寺 (高槻市)

慈願寺（じがんじ）

慈願寺は大阪府高槻市に位置する曹洞宗の寺院であり、その山号は太子山です。本尊には聖観世音菩薩が祀られています。寺院の歴史は古く、創建時期は不明ですが、伝説によれば聖徳太子によって設立されたとされています。もともとは天台宗に属していたと伝えられていますが、時代の変遷を経て、1573年から1593年にかけての天正年間に高山氏の兵火により多くの堂宇が焼失しました。これを受け、その後再建が行われ、1739年には曹洞宗に改宗しました。

環境と周辺

慈願寺の周辺地域は、「慈願寺樹林保護地区」として指定され、約8,197.67平方メートルの面積が保護されています。この指定は1987年に行われました。また、寺院の近隣には彼方に古墳や前方後円墳が数多く存在しており、歴史的な面でも注目されています。1820年には寺の西側の山中、酒垂山（荒神山）で木櫃が発見され、さらに1952年には国宝に指定される「金銅石川年足墓誌」が発掘されました。この墓誌は個人所有のもので、大阪歴史博物館に寄託されています。

慈願寺の裏手には、古曽部焼や高槻焼のための土採り場が存在したこともあり、地域の陶磁器生産の歴史を感じさせます。これらの遺跡は、地域の文化や歴史的な背景を物語る貴重な資源として位置づけられています。

境内と施設

境内には、月見南天稲荷（稲荷大明神）があり、多くの参拝者が訪れます。この稲荷神社は、地域の人々に親しまれ、訪れる人々に安らぎや幸運をもたらしています。また、慈願寺はその静かな環境から、心を落ち着ける場所としても利用されています。

アクセス

慈願寺へのアクセスは、高槻市営バスを利用し、芥川小学校前バス停から徒歩約10分と比較的便利な立地にあります。周囲の静かな環境に包まれた寺院は、訪れる人々に安らぎと歴史の重みを感じさせるスポットです。一度立ち寄ってみることをおすすめします。

参考文献

• - 杉本捷雄『古曽部窯研究』（東京、学芸書院、1936年）
• - 杉本捷雄「古曽部窯と保全の高槻焼」（『陶磁』第十三巻第四号、1943年1月4日。東洋陶磁研究所。pp.18-25）
• - 天坊幸彦『高槻市制十周年記念出版 郷土高槻叢書第五集 高槻通史』高槻市役所、1953年11月
• - 村上正名「近世古窯巡礼記2 遠州の七窯(1)志戸呂・古曽部」（『陶説』363号、1983年6月。pp.45-51）

外部リンク

• - 慈願寺＜じがんじ＞ - 高槻観光情報
• - 石川年足墓誌 - 古典籍総合データベース

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