慶尚道について
慶尚道(キョンサンどう)は、韓国の主要な地域区分の一つで、歴史的には嶺南地方とも呼ばれています。
1896年に
慶尚南道と
慶尚北道に分割され、現在は慶州や尚州が位置する
慶尚北道に属しています。この名称は、慶州と尚州の頭文字を組み合わせたものに由来しています。
地理的区分と歴史
「高麗史地理志」によると、慶尚道は当初1京、2牧、2府、30郡、92県から構成されていました。また、「経国大典」にもその地方区分が詳細に記載されています。以下にその主要な構成要素を示します:
府(長官:府尹)
- - 慶州府
- - 大都護府(長官:大都護府使)
- - 安東大都護府
牧(長官:牧使)
都護府(長官:都護府使)
- - 昌原都護府
- - 金海都護府
- - 寧海都護府
- - 密陽都護府
- - 善山都護府
- - 青松都護府
- - 大丘都護府
郡(長官:郡守)
- - 陜川郡
- - 咸陽郡
- - 草渓郡
- - 清道郡
- - 永川郡
(以下、他の郡も含まれます)
県(長官:県令)
(以下、他の県も含まれます)
慶尚道は、長い歴史の中で多様な地方区分を経て、現在の形に至っています。
出身有名人
この地域は韓国の歴代大統領のうち、12人中8人が慶尚道出身という輩出の背景からもわかるように、数多くの著名な政治家や実業家を生み出しています。特に以下のような人物が有名です:
- - 金宗直(学者)
- - 崔時亨(宗教家)
- - 崔済愚(宗教家)
- - 沈師正(画家)
- - 申潤福(画家)
- - 鄭齊斗(学者)
- - 鄭麟趾(政治家・学者)
- - 李滉(政治家・学者)
- - 李裕元(政治家)
政治的背景
韓国の主要な政治勢力が存在する慶尚道は、特に
自由韓国党が強固な支持基盤を築いています。この政党は、大邱市や
慶尚北道を中心に支持が厚く、過去の大統領選挙や地方選挙では、その影響力が顕著でした。しかし、2017年の大統領選挙において、
自由韓国党の候補が
文在寅に敗北するなど、最近では地域の政治情勢に変化が見られています。
このように、慶尚道はその歴史的背景によって形成された地理的区分だけでなく、幅広い政治的議論や著名人によって、韓国社会において重要な位置を占めています。今後もこの地域の動向に注目が集まることでしょう。