慶應義塾大学産業研究所

慶應義塾大学産業研究所（Keio Economic Observatory: KEO、以下産研）は、慶應義塾大学の附置研究所として、経済学分野における広範な研究活動を展開しています。1959年（昭和34年）に、慶應義塾創立100周年記念事業の一環として設立されました。産業の急速な発展に伴い生じる諸問題に対応するため、大学関係者のみならず、産業界や労働界からも協力を得て、研究活動を行っています。

設立の背景

産研設立の背景には、当時の塾長であった奥井復太郎が、アメリカの実業家ジョン・ロックフェラーに研究機関設立の意向を伝えたことがあります。ロックフェラー氏はこれに賛同し、プリンストン大学産業関係研究所から労働経済学者のフレデリック・ハービソン所長をはじめとする使節団が派遣され、設立に向けて協力しました。産研は、経済・社会に関する基礎研究を通じて、日本経済と産業の発展に寄与することを目的としています。

研究活動

産研では、多数の研究プロジェクトや各種の共同研究を推進しています。これらの研究成果は、「慶應義塾産業研究所叢書」や「慶應義塾産業研究所選書」として定期的に刊行されており、学術的な知見を広く社会に発信しています。なお、慶應義塾大学経済研究所（2013年設立）とは異なる組織です。

沿革

1958年（昭和33年）: プリンストン大学産業関係研究所の経済学者らを招聘し、研究所構想を開始。
1959年（昭和34年）: 初代所長に藤林敬三氏が就任し、産業研究所が発足。
1962年（昭和37年）: ビジネススクール（現：KBS）が産業研究所から独立。
1963年（昭和38年）: 電子計算機導入に伴い、三田電子計算室が産業研究所内に設置。
2009年（平成21年）: 産業研究所は開設50周年を迎えました。

組織

産研は、以下の3部門で構成されています。
経済部門
法律部門
行動科学部門

これらの部門に加えて、部門合同プロジェクトや国際交流事業も活発に行われています。また、教育活動にも力を入れており、慶應義塾の学生向けの講座や、研究所内外の学者による公開講座も開催されています。

歴代所長

産研の歴代所長は以下の通りです。

藤林敬三（経、1959年9月1日 - 1962年9月15日）
町田 義一郎（経、1962年11月1日 - 1966年4月30日）
峯村 光郎（法、1966年5月1日 - 1969年3月31日）
伊東 岱吉（経、1969年4月1日 - 1972年3月31日）
辻村 江太郎（商、1972年4月1日 - 1981年9月30日）
尾崎巌（経、1981年10月1日 - 1987年9月30日）
小尾 恵一郎（経、1987年10月1日 - 1991年9月30日）
黒田 昌裕（商、1991年10月1日 - 1993年9月30日）
岩田 暁一（商、1993年10月1日 - 1997年9月30日）
清水 雅彦（経、1997年10月1日 - 199年9月30日）
吉岡 完治（産、199年10月1日 - 2001年9月30日）
辻村 和佑（経、2001年10月1日 - 2005年9月30日）
清水 雅彦（経、2005年10月1日 - 2007年9月30日）
早見 均（商、2007年10月1日 - 2012年3月31日）
中島 隆信（商、2012年4月1日 - 2015年9月30日）
河井 啓希（経、2015年10月1日 - 2019年9月30日）
石岡 克俊（LS、2019年10月1日 - ）

関連人物

産研に関連する人物として、以下の氏名が挙げられます。
辻村江太郎
清水雅彦
正田彬
清家篤
佐野陽子
金子晃
鳥居泰彦
井関利明
黒田昌裕
野村浩二
熊谷善彰

外部リンク

* 慶應義塾大学産業研究所

産研は、設立以来、経済学研究の発展に大きく貢献しており、今後もその活動が期待されます。

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