憂国忌

憂国忌（ゆうこくき）について

憂国忌は、作家の三島由紀夫が自決した1970年11月25日にちなみ、毎年同日に行われる追悼集会です。この集会は「憂国忌実行委員会」によって主催されており、事務局は三島由紀夫研究会に置かれています。集会は彼の命日を記念し、彼の業績や思想を称える重要な場となっています。

起源と歴史

憂国忌の起源は、1970年の三島事件に遡ります。三島の割腹自決後、翌月の12月11日には追悼の夕べが開催されました。この集会には多くの民族派学生が参加し、3000人を超える人々が集まったと言われています。一部の文化人は政府やマスコミの反応に配慮し、参加を躊躇したとのことです。この初回の集会が、後の憂国忌へとつながる基盤となりました。

1971年には第2回イベントが開催され、ここで「憂国忌」という名称が正式に決定されました。様々な名称が候補として挙げられましたが、最終的にはこのタイトルが選ばれ、以降毎年実施されるようになりました。当初の集会では鎮魂祭が行われ、映画の上演や武道の奉納演武など多彩なプログラムが展開されました。

全国的な広がり

憂国忌は東京以外でも広まり、福岡では1971年から新嘗祭の日に行われる「福岡憂国忌」が定期的に実施されています。また、毎年11月24日には「野分祭」と呼ばれる追悼会も行われ、こちらは森田必勝の辞世の句に基づいて命名されています。

発起人の紹介

憂国忌実行委員会には、多くの著名な文化人が名を連ねています。初回の追悼会では林房雄氏が総代を務め、川内康範、黛敏郎、川端康成などが名を連ねました。2020年の段階では、入江隆則、細江英公、富岡幸一郎などが代表的な発起人として活動しています。

国際的な追悼イベント

国内での開催に留まらず、海外でも「憂国忌」が行われるようになりました。1971年6月にはフランス・パリでも集会が開催され、竹本忠雄や黛敏郎らが参加しました。また、ローマでは日本の文学や文化が紹介され、三島由紀夫に対する人気が高まる中で、ローマ憂国忌も実施されています。

憂国忌は、年々その重要性を増し、三島の精神を語り継ぐ場として、多くの人に愛され続けています。これらの集会は、三島由紀夫に対する敬意を表すだけでなく、彼の思想や作品への理解を深めるための貴重な機会ともなっています。三島の作品を含む彼の業績を次世代に引き継ぐための努力は、今後も続けられていくことでしょう。

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