懲役太郎 (バーチャルYouTuber)

懲役太郎とは

懲役太郎は、日本のバーチャルYouTuberであり、元暴力団員という異色の経歴を持つ人物です。彼は自身の過去の経験を基に、暴力団や反社会的勢力、刑務所などの内情について詳細な情報を発信しています。YouTubeチャンネルでの動画投稿をメインに活動しており、そのリアルな語り口と独特なキャラクター性から、多くの視聴者から支持を集めています。

活動内容

懲役太郎は、「バーチャル刑務所に服役中、職業訓練の一環としてYouTube活動を開始した」という設定で活動しています。動画の内容は、暴力団などの反社会的勢力や、刑務所、拘置所などの内部事情に関するものが中心です。これらの情報は、懲役太郎自身が過去に経験した事実に基づいているとされています。また、警察組織や司法制度、実際の犯罪・事件・事故に関する見解も、自身の経験を踏まえて語ることがあります。

キャラクター性

VTuberとしての懲役太郎は、白黒の囚人服に坊主頭の若年男性という外見をしています。動画の冒頭では必ず「前科3犯、893番、懲役太郎です。」というフレーズを発し、動画の最後には「面会時間終了!!」という言葉で締めくくるのが特徴です。また、配信時間が決められており、時間になると話題の途中でも唐突に終了するスタイルも、視聴者に印象を与えています。

投稿者の経歴

懲役太郎は、本名や出身地を公表していません。以下に示す経歴は全て本人による自称に基づいたものです。

生い立ち

懲役太郎は、昭和40年代に小学生時代を過ごしたとされています。自身のSNSでは、2023年8月31日に57歳の誕生日を迎えたことを公表しています。母親が在日韓国人であったため、幼少期には人種差別を経験し、自身のルーツを隠すように教えられて育ちました。青年期には、交際していた女性の紹介で暴力団組長の運転手になったことがきっかけで、暴力団の世界に入りました。その女性の姉は組長の妻または愛人であったという関係性も、彼の運命を大きく変える一因になったと言えるでしょう。

前科3犯

暴力団員となった後、懲役太郎は傷害罪で3度逮捕され、そのすべてで有罪判決を受け、合計で約10年間を刑務所で過ごしました。最初の逮捕は逮捕・監禁・暴行罪によるもので、当時26歳未満だったため奈良少年刑務所に収監されました。2度目は銃刀法違反で名古屋刑務所へ4年間収監されました。この服役中に読書を通じて知見を深める一方、尊敬していた組長の殺害に衝撃を受けたといいます。3度目の逮捕は、知人の強盗事件への関与を疑われた窃盗罪によるものでした。無実を主張して最高裁判所まで争いましたが、最終的に懲役刑が確定し、約3年半を刑務所で過ごしました。この事件については、インターネット掲示板で揶揄されたこともあり、強い不満を抱いていたようです。

暴力団からの離脱とYouTube活動

刑期を終えた後、懲役太郎は暴力団を離れ、YouTubeでの活動を開始しました。これは彼が自身の経験を社会に伝え、何かを成し遂げたいという強い思いから始まったものと考えられます。

人物像

懲役太郎は、暴力団員としては珍しく刺青を入れていません。これは、入団後すぐに服役したため機会を逃したこと、また刺青と覚醒剤中毒との関連性を嫌ったためであると語っています。覚醒剤を使用した経験はあるものの、依存症になることを恐れて常用はしなかったと言います。また、麻雀を含むギャンブルも、覚醒剤中毒との関連性と期待値の低さを理由に避けていたと述べています。

運営

チャンネルの立ち上げから、キャラクターデザインや動画の管理・運営は、漫画家の俺太郎が担当しています。2021年1月1日からは、バーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」から独立し、フリーで活動しています。

その他の活動

懲役太郎は、YouTube以外にも多岐にわたる活動を展開しています。pixivFANBOXでのコンテンツ配信、アパレルブランドの監修、電話相談サービス、Voicyでの音声配信、公式オンラインショップの運営、noteでの記事執筆、そして複数のYouTubeチャンネルを運営しています。また、音楽レーベルやコンセプトカフェ、レジャーホテルの運営にも関わるなど、その活動は多岐にわたっています。

メディア出演・イベント

懲役太郎は、テレビ番組やインターネットラジオにも出演し、イベントにも多数参加しています。中京テレビやNHK、千葉テレビなどの放送局の番組に登場し、ニコニコ超会議やナゴヤVTuberまつりなどのイベントにも積極的に参加しています。また、秋葉原や大須など各地で交流会や独演会、上映会などを開催しており、ファンとの交流を大切にしています。

書籍・音楽

懲役太郎は、自身の経験をまとめた書籍を出版したり、音楽作品を発表したりするなど、幅広い表現活動を行っています。著書には『塀の中の元極道 YouTuberが明かすヤクザの裏知識』などがあります。音楽作品では「星とアウトロー」や「幻日」などをリリースしています。