戌井昭人

戌井昭人：俳優、劇作家、そして小説家

戌井昭人(いぬい あきと)氏は、1971年10月22日生まれの日本の俳優、劇作家、小説家です。著名な演出家である戌井市郎氏を祖父に持ち、モデルの愛可氏を妻に持つ、一男を育む父親でもあります。

東京都調布市出身の戌井氏は、1995年に玉川大学文学部演劇専攻を卒業後、文学座付属研究所に入所。翌年には文学座研究生に昇進するも、同年に退所しています。その後、1997年には牛嶋みさを氏らと共に、パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。同集団では、脚本も担当し、多様な才能を発揮しています。

俳優としての活動に加え、戌井氏は小説家としても成功を収めています。2008年、雑誌「新潮」に発表した『鮒のためいき』で小説家デビューを果たすと、2009年には『まずいスープ』で第141回芥川龍之介賞と第31回野間文芸新人賞の候補にノミネートされました。以後も、『ぴんぞろ』(2011年)、『ひっ』(2012年)、『すっぽん心中』(2013年)、『どろにやいと』(2014年)と、芥川龍之介賞候補に度々名を連ねます。2013年には『すっぽん心中』で第40回川端康成文学賞を受賞、2016年には『のろい男 俳優・亀岡拓次』で第38回野間文芸新人賞を受賞するなど、その才能は高く評価されています。

戌井氏の著作は多岐に渡り、『まずいスープ』、『八百八百日記』、『ただいま、おかえりなさい』、『俳優・亀岡拓次』、『ぴんぞろ』、『松竹梅』、『ひっ』、『すっぽん心中』、『どろにやいと』、『のろい男 俳優・亀岡拓次』、『酔狂市街戦』、『ゼンマイ』、『壺の中にはなにもない』、『さのよいよい』、『沓が行く。』など、多くの作品を発表しています。これらの作品は、様々な出版社から刊行され、文庫化されたものも多く、幅広い読者層に支持されています。

俳優としては、映画、テレビ、CMと様々な作品に出演しています。映画では、『ストロベリーショートケイクス』、『松ヶ根乱射事件』、『歓喜の歌』、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『ゲゲゲの女房』、『まほろ駅前多田便利軒』、『不倫純愛』、『赤い季節』、『俳優 亀岡拓次』、『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』などに出演。テレビでは、『ほんとにあった怖い話』、『あの歌がきこえる』、『国鱒狂想曲』、『情熱大陸』、『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』などで活躍。CMにも多数出演しており、オリオンビール、サントリー、NTTドコモ、au、第一三共、サッポロビール、パチンコサミー、八景島シーパラダイスなどのCMでその姿を見ることができます。また、ラジオ番組『ポエトリーカフェ』ではレギュラーを務めるなど、多方面で活躍を見せています。

祖父の戌井市郎氏から受け継いだ演劇への情熱と、独自の視点で紡ぎだされる小説、そして俳優としての圧倒的な存在感。戌井昭人氏は、これからも様々な分野で活躍し、私たちを魅了し続けることでしょう。

もう一度検索