成就院 (日野市)

成就院について

成就院（じょうじゅいん）は、東京都日野市に位置する天台宗に属する寺院です。この寺院は、薬師如来像にまつわる伝承から「東光寺の安産薬師」としても親しまれていますが、宗教法人の正式名称は「宗教法人成就院」であるため、以後は「成就院」という名称でご紹介します。

歴史

成就院の創建年代は明らかではありませんが、平安時代中期に創建されたと考えられています。創建に関与したのは、武士団「武蔵七党」の一つである日奉氏で、居館の鬼門（鬼が出る方向）を守るために成立したとされています。このことから、成就院は日奉氏の重要な拠点であったことが伺えます。

一時、日奉氏が衰退し、この寺院も廃寺となった時期がありました。しかし、現在の「東光寺」が本寺であり、「成就院」はその子院として位置付けられています。

成就院は天正年間（1573年 - 1592年）に再興されました。この中興の際に納められた薬師如来像は、著名な仏師運慶によって製作されたものであり、現在では秘仏とされ、一般の人々には公開されていないことが特徴です。また、この像の前立本尊は、室町時代に作られたものです。

「枝栗を捧げると安産になる」という信仰があり、安産祈願を行う人々が多く訪れることでも知られています。これにより、成就院は地域の信仰の中心ともなっています。

文化財

成就院には、東京都日野市によって指定された文化財がいくつか存在します。以下はその代表的なものです。

• - 東光寺薬師堂（昭和36年10月1日指定）
• - 木造薬師如来坐像（昭和36年10月1日指定）

これらの文化財は、地元の歴史や文化に深く根ざしており、多くの訪問者に歴史の重みを感じさせます。

交通アクセス

成就院へのアクセスは便利で、日野駅から徒歩で約17分の距離に位置しています。駅から歩いて訪れることができるため、日帰りの散策に最適です。また、周辺には「東光寺村」と名付けられた地域が存在し、歴史的な雰囲気を感じることができます。

成就院は、その歴史や文化財、地域への信仰の影響をしっかりと受け継ぎながら、現在も多くの人々に愛され続けている寺院です。仏教の教えや歴史に触れたい方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。

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