成昆線

成昆線

成昆線は、中国の四川省成都市から雲南省昆明市を結ぶ、全長約1100kmの鉄道路線です。この路線は、その地形の険しさから、世界でも有数の山岳路線として知られています。

概要

1958年7月に建設が開始され、1970年7月1日に全線が開通しました。その後、2000年8月には全線の電化工事が完了し、輸送能力が大幅に向上しました。路線の管理は、成都駅 - 攀枝花駅間を成都鉄路局が、攀枝花駅 - 昆明駅間を昆明鉄路局が担当しています。

成昆線は、山岳地帯を縫うように建設されており、何重ものループ線が特徴的です。その沿線の景色は非常に美しく、多くの人々を魅了しています。路線全体には427本のトンネル（総延長344.7km、うち3km以上のトンネルは12本）と991本の橋梁（総延長106.9km）があり、その総延長は路線全体の41％を占めています。また、122ある駅のうち、3分の1にあたる41の駅がトンネル内や橋上に建設されています。

沿線

成昆線の沿線には、イ族、チベット族、ペー族、タイ族、リス族など、多様な少数民族が暮らしています。この地域は農業が盛んであり、リン鉱石、鉄鉱石、銅鉱石、鉛鉱石などの鉱物資源も豊富です。

複線化計画

現在、成昆線では、全線の複線化事業が進められています。この計画は、短絡線の新設や線路増設によって、列車の最高速度を時速160kmから200kmに引き上げることを目指しています。複線化が完了すると、新線は長距離旅客輸送を、旧線は貨物輸送および短距離旅客輸送を担う予定です。新線により、昆明・成都間の距離は旧線よりも約200km短縮され、約900kmとなり、所要時間も約6時間短縮されることが期待されています。

事故

1981年には、土石流によって成昆線の鉄橋が崩落し、列車が墜落する事故が発生しました。この事故では、300人以上の死傷者が出ています。

その他

成昆線は、中国の鉄道技術の粋を集めた路線であり、その建設は多くの困難を伴いました。しかし、その結果として、沿線地域の人々の生活を支え、経済発展に大きく貢献しています。また、その美しい景色は多くの観光客を魅了しており、中国を代表する鉄道の一つとして広く知られています。


参考動画
成昆鉄路 6162次 禄丰南-攀枝花 机車視角 前方展望

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