成田空港第2ターミナルシャトルシステム

成田空港第2ターミナルシャトルシステム概説

成田空港第2ターミナルシャトルシステムは、成田国際空港の第2ターミナルにおいて1992年から2013年まで運行されていた空気浮上式の自動運転システムです。このシステムは、ターミナル本館とサテライトビルを結び、旅客に快適な移動を提供することを目的としています。導入されたのは1992年12月のことで、新たに開業した第2ターミナルの開設に伴い、設計されました。

運行と機能

シャトルシステムは、ターミナル本館から279メートル離れたサテライトビル間を約1分で結ぶことができ、制限区域内を移動するすべての旅客が無料で利用可能でした。この運行は、旅客の使用状況を考慮に入れ、基本的に24時間にわたって行われていました。構造上、乗車は片道のみの一方通行となっており、乗客は一度移動すると下車後に元の方向へ戻ることはできませんでしたが、その後の運用見直しにより、反対方向への乗車も可能になりました。

シャトルは、特に日本オーチス・エレベータ製の空気浮上方式を採用していたことが特徴的であり、同様の技術を用いた移動システムは国内では唯一の存在でした。

運行の終了と新たな交通手段

2013年9月27日をもって、シャトルシステムの運行は終了し、代わりに動く歩道を備えた連絡通路が設置されることとなりました。この変更により、移動手段はより使いやすくなりました。シャトルシステムの運行が終了した後、設備は撤去されましたが、当時使用されていたシャトル車両の一部は静態保存され、芝山町の公共公園に設置されています。

法的な位置づけと安全性

このシャトルシステムは、新交通システムとして位置づけられ、当時の運輸省航空局と新東京国際空港公団との協議のもと、地方鉄道法には該当しないと判断されました。さらに、安全性に関しては建物内の移動手段として捉えられ、建築基準法に基づいて性能が認定されました。このため、シャトル内にはエレベーター用の定期検査報告書が掲示されていたことも特筆すべき点です。

機構と運行管理

シャトルは車輪を持たず、エアーパッドから噴出される圧縮空気によって約0.1mm浮上し、摩擦を減少させる空気浮上方式によって運行されていました。シャトルの水平移動は、ワイヤーによる牽引で実現され、運行システムには監視カメラと電光パネルが用意されていましたので、運行管理が行われていました。

また、非常時には乗降場にスタッフが常駐しており、安全性を保っていました。

このように、成田空港第2ターミナルシャトルシステムは、移動の利便性を向上させるために構築され、運用終了に至るまで多くの旅客にとって重要な交通手段であったのです。

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