成覚寺

成覚寺について

成覚寺（じょうかくじ）は、東京都新宿区新宿二丁目に位置する浄土宗の寺院で、正式名は十劫山無量寿院成覚寺です。本尊は阿弥陀如来であり、靖国通りに面した立地にあり、隣接する正受院と共に地域の歴史に深く関わっています。

歴史的背景

この寺院は文禄3年（1594年）に創建されたと伝えられています。江戸時代には、成覚寺は内藤新宿において飯盛女たちの投げ込み寺としての役割を果たしました。奉公中に亡くなった飯盛女たちは、身に着けていた物を剥ぎ取られ、俵に詰められて投げ込まれる形で葬られていたと言われています。この寺には、2200人から3000余りの飯盛女たちが埋葬されたという伝承が残っています。

境内には、飯盛女たちを供養するために建てられた「子供合埋碑（こどもごうまいひ）」や、玉川上水で心中した男女を祀る「旭地蔵（あさひじぞう）」といった文化財があります。成覚寺は単なる寺院ではなく、当時の社会情勢を反映した重要な歴史的な場所でもあります。

文化財の紹介

子供合埋碑

新宿区指定の有形文化財である子供合埋碑は、万延元年（1860年）に造立され、内藤新宿の旅籠屋によって建立されました。この供養碑は飯盛女たちの共同墓地にあたります。「子供」と呼ばれる由来は、旅籠の主が飯盛女たちをそのように呼んでいたためです。昭和31年（1956年）には、区画整理により境内の中央付近に移設されています。

旭地蔵

旭地蔵は寛政12年（1800年）に造立された石造の地蔵菩薩像であり、新宿区の有形文化財にも指定されています。この地蔵の名前は、かつて玉川上水北岸の旭町に安置されていたことに由来しています。台座には18名分の戒名が刻まれており、うち7組は心中した男女と考えられています。地蔵にお参りすると子どもの夜泣きが治まるとされ、夜泣地蔵の名でも知られています。

恋川春町の墓

成覚寺には江戸時代中期の戯作者である恋川春町の墓もあります。彼は当時の文化や文学に多大な影響を与えた人物で、その存在は今でも地域の文化を語る上で重要な要素となっています。

アクセス

成覚寺へのアクセスは、地下鉄丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩5分、または、地下鉄丸ノ内線・都営新宿線の新宿三丁目駅からも徒歩5分と、非常に便利です。

歴史ある成覚寺は、訪れる人々に深い感慨を与える場所であり、地域の文化や歴史を感じることができる貴重なスポットです。

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