『我が家の問題』
『我が家の問題』は、著者・
奥田英朗による
短編小説集で、
2009年から2011年にかけて『
小説すばる』(
集英社)に連載されました。2011年には書籍として刊行され、平成の
家族小説シリーズ第2弾に位置づけられます。この作品は、
家族をテーマにした物語であり、先行作品『
家日和』から引き継がれる形で、同じ大塚家のメンバーが登場する作品もあります。
収録作品一覧
本書には以下の6つの短編が収められています:
1.
甘い生活?
新婚にも関わらず、甲斐甲斐しすぎる妻に窮屈さを感じ、帰宅が億劫になってしまった夫の葛藤を描写。
2.
ハズバンド
夫の仕事に問題があることを認識した妻が抱く苦悩とその心の変化が描かれています。
3.
絵里のエイプリル
両親の離婚の可能性に気づいた女子高生が、親友に悩みを打ち明ける様子が描かれています。
4.
夫とUFO
突然「
宇宙人と交信できる」と言い出した夫に不安を募らせる妻の心情を追った作品。
5.
里帰り
結婚後、札幌と名古屋の両実家に帰省する夫婦の物語です。
6.
妻とマラソン
ランニングに夢中になった妻が
東京マラソンに挑戦する様子が描かれています。
これらの物語は、
家族とその関係に焦点を当て、個々のキャラクターが直面するさまざまな問題を浮き彫りにします。
『我が家の問題』は
2018年2月に
NHK BSプレミアムで
テレビドラマとして放送されました。このドラマはオムニバス形式で、4回にわたって放送されます。各回で異なるストーリーが展開されながらも、全ての話が「
家族」に関するテーマを中心に作られています。主演は
水川あさみが務め、彼女が4人の異なる若妻の役を演じ分けています。
キャスト
ドラマのキャストは以下の通りです:
高木美奈子 -
水川あさみ
高木達生 -
小泉孝太郎
井上めぐみ -
水川あさみ
井上秀一 -
大谷亮平
岸本沙代 -
水川あさみ
岸本幸一 -
勝地涼
田中昌美 -
水川あさみ
田中淳一 -
小池徹平
このドラマは、各
家族における問題を描きながら、視聴者へ感情的な共鳴を引き起こすことを目的としています。家庭という枠組みの中で繰り広げられる日常的な出来事が、時にユーモラスでありながらもドラマティックに表現されています。
まとめ
奥田英朗の『我が家の問題』は、
家族というテーマを軸に、様々な視点から今日的な問題を考察しています。
短編小説集の形式を生かしながら、読者が共感できる多彩な物語が展開されるのが魅力です。また、
テレビドラマ化によって新たな視聴者層にもその世界観が広がりました。本作品は、現代を生きる
家族にとって読まれる価値のある作品と言えるでしょう。