戦国ブレード

『戦国ブレード』（Sengoku Ace EpisodeII）は、日本のゲームメーカー、彩京によって1996年にアーケード向けにリリースされたシューティングゲームです。前作『戦国エース』の続編にあたり、前作で好評を博した世界観やキャラクターを引き継ぎつつ、システム面にいくつかの大きな変更が加えられました。

ゲームシステム

基本的な操作は、8方向レバーでの移動に加え、ショットとボムの2ボタンを使用します。本作の大きな特徴の一つは、自機が飛行機などではなく、操作キャラクターそのものになっている点です。これは世界設定上の「飛蒼石（ひそうせき）」によって飛行能力が与えられているためであり、ステージによっては地面に降りて歩行・走行する細かいアクションも見られます。

システム面での前作からの変更点として最も大きいのは、画面のスクロール方向が縦から横になったことです。これにより、ゲームのプレイスタイルや攻略法も変化しました。

パワーアップシステムも特徴的です。アイテムを取得することでショットが強化され、キャラクターにはそれぞれ専用の「オプション」が登場します。オプションはパワーアップ段階が一段階でも進むと出現し、プレイヤーの攻撃をサポートします。パワーアップアイテムは、一定段階までは特定の敵がドロップする仕組みです。

また、他のシューティングゲームと異なる独自のシステムとして、「敵本体に接触しても即座にミスにならない」点が挙げられます。敵や地形にぶつかった場合はショットのパワーが低下するだけで済み、ミスとなるのは敵の弾に被弾した場合のみです。公式情報では、自機の当たり判定は上半身のみであり、下半身には弾の当たり判定がないことが明らかにされています。

キャラクターごとに設定された「溜め撃ち」は、オプションが担当します。溜め撃ちの準備中や発動中は、オプションによる通常の援護射撃は行われません。

本作では、2人同時プレイ時にキャラクター同士の専用会話が発生したり、協力プレイ専用のエンディングが用意されていたりするなど、キャラクターの個性を活かした演出も健在です。さらに、ゲームの進行に合わせてステージが分岐するシステムが導入されており、これによりエンディングも変化します。概ね、特定のルート（地上ルート）が物語上のバッドエンドに繋がりやすく、別のルート（通用口ルート）がグッドエンドに繋がる傾向があります。

キャラクターデザインは、前作の中村博文氏のデザインを踏まえ、司淳氏が担当しています。

ストーリーと世界観

前作『戦国エース』の世界観を引き継ぎ、和風ファンタジーの世界を舞台に物語が展開します。平和な時代に突如現れた「鬼道衆」と、その頭領である「炎鬼」、そして事件の黒幕である「御鏡厳照」将軍が、辺境の姫である布津姫を誘拐し、異界王復活を企むという背景があります。プレイヤーキャラクターたちは、それぞれの理由や使命を胸に、この異変を鎮めるために立ち向かいます。

登場キャラクター

本作には、個性豊かなプレイアブルキャラクターが登場します。それぞれのキャラクターは、ショット、オプション、溜め撃ち、ボムに独自の特徴を持ち、異なるプレイスタイルを提供します。

こより: お金に目がないパワフルな巫女。ホーミング性能のあるオプションと画面上に配置できる溜め撃ちが特徴ですが、ボムは緊急回避能力が低めです。
天外: 怪力と法力を持つ破天荒な仏僧。前方集中型の高火力ショットと貫通溜め撃ちを持ちますが、移動速度は遅めです。
翔丸: 復讐を誓う真面目な剣術士。全キャラクター中最速の移動速度を持ち、バランスの取れた性能ですが、突出した強みはありません。ボムは全画面攻撃で弾消しに優れます。
ユーニス: 姉を探す金髪の少女忍者。オプションに癖がありますが、オプションとの重ね撃ちで高火力が期待できます。ボムは攻撃中硬直します。
ハガネ: 体を奪われたからくり武者。前方集中ショットで攻撃範囲は狭いですが、全キャラクター中トップクラスの溜め撃ち火力を誇ります。
アイン: 隠しキャラクターの裸の侍。特定の条件で解放されます。移動速度が速く、貫通攻撃を持つオプションが特徴です。ボムは密着時の威力が絶大です。
マリオン: セガサターン版限定の隠しキャラクター。『ガンバード』からのゲストです。

敵対する鬼道衆には、鉄斬、火燕、惨眼、炎鬼といった強力な面々が登場します。特に火燕は前作からの再登場キャラクターです。黒幕である御鏡厳照は、かつて名将と呼ばれた翔丸の父でもあります。

ステージ構成

ゲームは複数のステージで構成されます。最初の4ステージのうち3ステージはランダムに選択され、雲海、渓谷、森林、祠といった多様な舞台が用意されています。これらのステージでは、鬼道衆の一部が中ボスとして登場します。

後半ステージでは、城下町から始まり、外堀を経て城内部へと進んでいきます。外堀ステージクリア後には、正門から侵入する「地上ルート」と通用口から侵入する「通用口ルート」の選択肢が出現し、物語の展開とエンディングが分岐します。それぞれのルートの最終ステージでは、物語の核心に迫るボスキャラクターが待ち受けています。

移植版

本作はアーケード版の稼働後、複数の家庭用ゲーム機に移植されています。

セガサターン版: 1996年に発売された最初期の移植版で、完全移植ではなくアレンジ移植とされています。隠しキャラクターのマリオンが追加されました。
PlayStation 2版: 2004年にタイトーより発売された『彩京シューティングコレクションVol.2』に前作『戦国エース』と共に収録されました。
Nintendo Switch版: 2018年に単体ダウンロード版として配信され、2019年発売の『彩京 SHOOTING LIBRARY Vol.2』にも収録されています。
Steam版: 2020年にNintendo Switch版をベースに配信が開始されました。
PlayStation 4|PlayStation_4版: 2022年発売の『彩京 SHOOTING LIBRARY Vol.2』に収録され、後に単体ダウンロード販売も行われました。
Xbox One版: 2022年に単体ダウンロードソフトとして配信されました。

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