戸沢盛男

戸沢盛男は、1901年2月に生まれ、1954年7月12日に亡くなった日本の官僚、実業家です。佐賀県知事や陸軍司政官を歴任しました。

秋田県出身で、戸沢清蔵の長男として誕生しました。第一高等学校を卒業後、1927年12月に高等試験行政科試験に合格し、1928年には東京帝国大学法学部法律学科を卒業しました。卒業後は大阪毎日新聞社に勤務しましたが、1929年に内務省に入省し、北海道庁に配属されました。

その後、北海道庁社会課長、香川県警察部特別高等警察課長、長崎県警察部特別高等警察課長、大阪府警察部経済保安課長、宮崎県書記官・警察部長、福島県書記官・警察部長、同県部長・警察部長、陸軍司政官、静岡県内務部長など、数々の要職を歴任しました。特に警察官僚としてのキャリアが長く、各地で治安維持に尽力しました。

1946年7月には佐賀県知事に就任し、食料供出の推進や町村役職の公職追放への対策などに取り組みました。しかし、1947年3月の佐賀県知事選挙に出馬するために知事を辞任しましたが、選挙では落選しました。同年7月19日には広島地方経済安定局調整部長に就任しますが、その後、公職追放の対象となりました。

公職追放中の1948年には、政治資金に関する問題で衆議院不当財産取引調査特別委員会に証人喚問されています。その後、大阪物産株式会社の社長を務め、実業家としての活動も行いました。

戸沢盛男は、激動の時代において、内務官僚、警察官僚、地方行政官、そして実業家として多岐にわたる分野で活躍しました。その経歴は、戦前・戦後の日本の社会状況を色濃く反映しており、地方行政や警察行政、そして戦後の混乱期における政治と経済の複雑な関係を示すものとして、重要な研究対象となっています。

参考文献
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年〜平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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