戸田康光

戸田 康光の生涯

戸田康光（とだやすみつ）は、戦国時代の三河国において勢力を誇った武将であり、主に渥美半島と三河湾一帯で活動していました。彼の初名は宗光であり、松平清康からの偏諱を受ける形で康光と名乗りました。また、弾正少弼としても知られています。康光の子どもには戸田尭光、戸田宣光、戸田重真がいます。

家族背景

康光は戸田政光の子として生まれました。彼の先祖は戸田氏の祖である戸田信義にさかのぼります。戸田家系は、江戸時代に至るまで武士の一族を形成し、松平氏との繋がりがありました。このことから、戸田家は三河地域において重要な地位を占めてきたのです。

戦国時代の活動

康光の主な活動拠点は三河田原城であり、二連木城などにも家族を配置し三河湾地域の支配を目指しました。しかし、北に位置する松平氏や東の今川氏など、他の強力な戦国大名たちに圧倒され、彼は彼らに従うことを余儀なくされました。初めて松平氏に従属しましたが、松平清康の死後は今川氏に従うこととなります。

天文6年（1537年）には、今橋城の牧野成敏を討ち、戸田宣成をその城に入れこみ、牧野氏を追い込むことに成功しました。後に、松平広忠と水野信元の妹である於大の方の離婚などを通じて、彼の娘・真喜姫が松平広忠と結婚しました。この婚姻には、松平氏と戸田家の政治的関係が色濃く反映されています。

滅亡とその後

天文16年（1547年）、康光は今川義元の命に従い、織田氏に通じる行動を取ります。広忠の嫡男・竹千代（後の徳川家康）を岡崎から駿府へと送る任務を担い、そこで康光は竹千代と随員を舟で運ぶ計画を立てました。しかし、その舟は今川氏と敵対していた織田信秀の元にたどり着き、これに怒った義元は田原に兵を差し向けました。

康光は田原城に籠城しましたが、敵の圧倒的な兵力に抗しきれず、嫡男・戸田尭光と共に討ち死にしました。田原戸田氏はこの戦闘を契機に滅亡し、田原城自体は数年後に落城したとされています。

子孫の行く先

康光の次男、戸田宣光は仁連木城に封ぜられ、彼の直系の子孫が後に徳川氏に仕官し、松平家の系譜にも影響を与えました。一方、康光の弟・戸田光忠は逃れて岡崎に移り、松平氏に仕官。その後、田原城を奪回し田原戸田家として枝分かれしました。

結論

戸田康光の歴史は、三河地域の武士の興亡を体現しており、彼の一族のその後も多くの大名や武士に繋がることとなります。康光の生涯は、戦国時代の戦乱と家族の絆、武士としての矜持を物語っています。

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