戸田氏定

戸田氏定の生涯と業績

戸田氏定（とだ うじさだ）は、1657年に生まれ、1733年に亡くなった江戸時代中期の大名です。彼は美濃大垣藩の第4代藩主として知られ、戸田家の5代目にあたります。父は前藩主の戸田氏西で、母は内藤忠政の娘です。正室は松平信之の娘であり、彼の子供たちには戸田氏長（次男）、戸田定浩（三男）、戸田氏房（五男）、および二人の娘がいます。氏定は官位として従五位下・采女正を受けています。

寛文11年、彼は従五位下・采女正に叙任され、貞享元年には父の死去を受けて家督を継承しました。元禄元年には弟の戸田氏成に新田3000石を分知し、これにより氏成の養父・戸田氏利の所領も合わせて大名となりました。こうして、分家として三河畑ヶ村藩（大垣新田藩）も発足することになります。

元禄7年には、幕府より飛騨国の検地総奉行に任じられ、地域の発展に寄与しました。享保8年には次男の氏長に家督を譲り、その後は隠居生活を送りました。享保18年、彼は77歳でこの世を去り、駒込蓮光寺に埋葬されました。

赤穂事件への関与と連座

戸田氏定の人生には、赤穂事件という大きな出来事が関わっています。元禄14年、彼の母方の従弟である播磨赤穂藩主・浅野長矩が江戸城内で吉良義央を斬りつけて切腹処分となりました。この事件により、氏定や他の従兄弟である安部信峯らも連座し、出仕を停止されることとなりました。

浅野家の重臣である大石良雄は、開城の際に藩内での籠城を主張する家臣たちとの調整を行い、氏定はその意図を汲んで大石に意見書を渡しました。結果、赤穂藩は円満に開城し、その後氏定も親族の再興に向けて尽力しました。しかし、最終的に赤穂藩の再興は難しく、大石らは吉良に対する仇討ちを計画し、赤穂事件が発生しました。

戸田氏定の系譜

戸田氏定の系譜には多くの家族が名を連ねています。父は戸田氏西で、彼の母は内藤忠政の娘です。正室は松平信之の娘で、次男の戸田氏長、側室には於類（安田藤九郎の娘）がいます。また、戸田氏房は戸田氏成の養子となりました。氏定には生母が不明の子女も生まれ、三男の戸田定浩、そして二人の娘がいます。これらの子女はそれぞれ別の家に嫁ぎ、さまざまな家系を形成していきました。

戸田氏定の業績は、彼の家族や藩の繁栄に大いに寄与しました。その時代背景の中で彼がどのように努め、また連座の影響を受けたのかを知ることは、江戸時代の社会を理解する手助けになるでしょう。

もう一度検索