戸部和久

戸部和久のプロフィール



戸部和久(とべ かずひさ、1984年生まれ)は東京都出身の歌舞伎脚本家で、松竹に所属しています。彼の父は演劇評論家や歌舞伎脚本、演出を手掛けた戸部銀作です。彼は幼少期から演劇に触れる環境に育ち、自然とその道を歩んできました。

学歴と経歴



戸部は文京区目白台で生まれ、お茶の水女子大学附属小学校、小学校を卒業すると中学校も同じくお茶の水女子大学附属中学校に進み、2007年に日本大学芸術学部演劇学科を卒業しました。その後、松竹に入社し、演劇部での経験を積みながら歌舞伎公演に関与するようになりました。

彼は、2014年歌舞伎座での公演『心謎解色糸』にて脚本補綴を担当し、歌舞伎界での活動を本格化させます。2015年には、ラスベガスホテルベラージオで上演された『KABUKI Spectacle at FOUNTAINS OF BELLAGIO』にて、初めて脚本家としてのクレジットを受けました。この経験は彼にとって大きな一歩となり、その後の活動に繋がります。

主要な作品と活動



戸部和久の名は、歌舞伎座ギャラリーでの歌舞伎俳優のトークイベント「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話(かぶきやわ)」の司会を務めたことでより広まりました。このイベントは人気企画となり、彼の名前を多くの人々に知らしめることになります。

2016年には、歌舞伎座での新作歌舞伎『幻想神空海』脚本を手掛け、その後も毎年8月に上演され続ける『東海道中膝栗毛』の脚本も担当し、さまざまな新作を生み出してきました。特筆すべきは、2017年に国立代々木競技場で行われた「氷艶 hyoen2017『破沙羅(ばさら)』」での脚本です。この公演では歌舞伎とフィギュアスケーターがコラボレーションし、多くの注目を集めました。

また、2019年には、音楽劇『ハムレット』の上演台本を担当し、歌舞伎や古典舞踊だけでなく、音楽劇の分野にも足を踏み入れました。さらに、2020年には新型コロナウイルスの影響で劇場公演が中止となる中、オンラインで歌舞伎を上演する企画を立ち上げ、史上初のオンライン歌舞伎忠臣蔵』を成功に導きました。この活動は、オンラインでの歌舞伎公演の新たな可能性を開くものでした。

戸部は歌舞伎界に留まらず、さまざまなジャンルでの活動を行い、音楽劇やバレエへの脚本提供なども経験しています。2022年にはNetflixとのコラボレーションのもと、初の全世界向けのオンライン配信作品を生み出しました。彼の作品は日本の伝統文化に新たな風をもたらし、多くの観客に喜ばれています。

未来への展望



戸部和久は今後も新作歌舞伎の脚本や、伝統と現代の融合をテーマにした作品を次々と世に送り出すことでしょう。歌舞伎界の新たな潮流を築く存在として、多くの人々に影響を与えることが期待されています。彼の創作に注目し、その活動を見守り続けることが重要です。

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