手向山八幡宮

手向山八幡宮について

手向山八幡宮（たむけやまはちまんぐう）は、奈良県奈良市に位置する歴史ある神社です。元々は東大寺の鎮守神として勧請され、古くから地域の人々に信仰されてきました。神社の名称は「手向山」に由来し、この地は特に紅葉の美しい名所として知られています。古今和歌集では菅原道真が「このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」と詠んでおり、文化的な価値も高い場所です。

歴史の背景

手向山八幡宮は天平勝宝元年（749年）に宇佐八幡宮から勧請され、平城宮南の梨原宮に最初は鎮座しましたが、後に東大寺大仏殿の近くに移されました。1180年には平重衡による南都焼討で一度焼失しますが、文治4年（1188年）には東大寺の大勧進職重源によって仮殿が造られ、1197年には本殿が再建されました。
その後も手向山八幡宮は東大寺に属し、大正時代の神仏分離の際に独立し、県社となりました。特に江戸時代の元禄4年（1691年）に再建された本殿は、奈良県の指定有形文化財に指定されています。

境内の特徴

境内には本殿や拝殿をはじめ、多くの社殿があります。本殿は奈良県の有形文化財に指定され、1721年に再建されたものです。また、境内には武内神社や若宮神社、住吉社など、さまざまな摂社や境内社が点在しています。
これらの社には応神天皇や神功皇后など、重要な祭神が祀られており、それぞれが地域の信仰の中心となっています。また、特に「菅公腰掛石」と呼ばれる石は菅原道真がかつて座ったとされ、訪れる人々に好まれています。

文化財と祭り

手向山八幡宮には数多くの文化財が存在し、国宝や重要文化財も多数収められています。特に、唐鞍や木造舞楽面といった行事で使用される道具は、文化的価値が非常に高いとされています。 祭りも豊富で、2月の「お田植祭」や、10月5日の「転害会」は多くの人々が訪れる行事です。特にお田植祭は地域の伝統行事として知られ、神々に感謝の気持ちを表す重要な行事とされています。

アクセスと周辺情報

手向山八幡宮へのアクセスは、JR奈良駅から奈良交通のバスを利用すると便利です。「大仏殿春日大社前」で下車し、徒歩で約15分の距離にあります。また、近鉄奈良駅からは徒歩で約30分の位置にあります。
ぜひ、歴史深い手向山八幡宮を訪れて、鎮守の神々が見守る壮大な風景や文化に触れてみてください。

もう一度検索