手紙 (由紀さおりの曲)

シングル「手紙」とは

「手紙」（てがみ）は、日本の歌手である由紀さおりが1970年7月5日にリリースしたシングルです。この曲は、歌詞をなかにし礼、作曲・編曲を川口真が手掛け、深い思いが込められたバラードとして多くの人々の心に残っています。

歴史的背景

この楽曲は、1970年末の『第12回日本レコード大賞』で歌唱賞を受賞し、さらに大晦日の『第21回NHK紅白歌合戦』でも歌われました。これにより、由紀は前年の紅白に続いて2年連続での出演を果たし、以降、1970年代の紅白歌合戦における常連歌手となります。彼女は、特に『夜明けのスキャット』のヒットによって急速に注目を浴び、その後「手紙」がヒットしたことにより、一発屋ではない歌手としての地位を確立しました。

シングルの人気

「手紙」は、リリース以来、約70万枚のレコードが売り上げられており、その人気は今でも根強いものがあります。由紀は後に、楽曲がヒットしたことで自身が「キワモノ的な存在から脱却できた」との思いを語っています。また、彼女はテレビ番組『速報! 歌の大辞テン』でのゲスト出演時にその時の心境を語り、この曲の成功への喜びを示しました。

曲の特徴とアレンジ

オリジナル版の歌い方は、出だしの「死んでもあなたと」というフレーズが特徴的です。リリース当初は「しーんでもあなたーと」と歌っていましたが、1990年代に入ってからは「しーんでもあなたとー」と微妙に変化しています。また、オリジナル版では二番の最後の「涙で綴り終えたお別れの手紙」をエンドレス・フェイドアウトで歌っていますが、最近のパフォーマンスでは2回リピートするスタイルが一般的です。

収録内容

シングルには、以下の曲が収められています。

• - 手紙 (02:55)

作詞：なかにし礼
作曲・編曲：川口真

• - 女に生れて悲しくて (02:55)

作詞：山上路夫
作曲：鈴木邦彦
編曲：渋谷毅

カバーアーティスト

「手紙」は数々のアーティストにカバーされており、これまでのリストには、黛ジュン、朝丘雪路、奥村チヨ、石田ゆり、秋ひとみ、篠原涼子、O's、ジュディ・オング、城之内早苗、秋元順子、桑田佳祐など多彩な歌手が名を連ねています。これにより、楽曲の魅力は世代を超えて受け継がれています。

関連作品

この曲はまた、由紀さおりのベストアルバムや、様々な音楽年鑑などに収められており、今なお多くのリスナーに親しまれています。特に、アルバム「Complete Single Box」や「青春歌年鑑 1970 BEST30」などは、彼女の代表作の一つとして高く評価されています。

「手紙」は、単なるヒット曲に留まらず、時代を超えて愛され続ける名曲としての地位を確立しているのです。

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