打出駅 (富山県)

打出駅（うちいでえき）

打出駅は、富山県富山市打出にかつて設けられていた、富山地方鉄道射水線の鉄道駅でした。射水線の廃止に伴い、1980年（昭和55年）4月1日をもって営業を終了し、廃駅となりました。

歴史

打出駅の歴史は二つの駅に深く関わっています。一つは初代の打出駅、そしてもう一つは打出浜駅です。

1926年（大正15年）7月21日、越中電気軌道が四方駅から打出浜駅までの路線を延伸した際、打出駅（初代）と打出浜駅（うちいではまえき）の二つの駅が開業しました。初代の打出駅は新富山駅起点から8.1キロメートルの地点に、打出浜駅は8.5キロメートルの地点に位置していました。

翌年の1927年（昭和2年）2月13日には、鉄道会社の名称が越中鉄道に変更され、両駅も同鉄道の駅となります。1929年（昭和4年）7月2日、越中鉄道が打出浜駅から堀岡駅まで延伸したことで、打出浜駅は途中の駅としての役割を持つようになりました。

1932年（昭和7年）から1934年（昭和9年）頃にかけて、近隣に富山飛行場が開場したことに伴い、初代の打出駅はその名を富山飛行場前駅（とやまひこうじょうまええき）と改めました。

時代が下り、1943年（昭和18年）1月1日には、太平洋戦争中の交通統合政策により、越中鉄道が富山地方鉄道へ統合されます。これにより、富山飛行場前駅と打出浜駅は富山地方鉄道射水線の駅となりました。

その後の1946年（昭和21年）以前のある時期に、富山飛行場前駅は廃止されます。そして同じ頃、打出浜駅は新富山駅方面へ約0.1キロメートル移設され、現在の打出駅（2代目）として改称されました。これが本項で解説する打出駅の始まりです。

いつ頃かは定かではありませんが、この打出駅は後に駅係員が配置されない無人駅となりました。そして、1980年（昭和55年）4月1日、射水線の廃線に伴い、打出駅もまたその歴史に幕を下ろしました。

駅構造

廃止される直前の打出駅は、地上に設けられた駅で、一本の線路の片側にホームがある単式ホーム1面1線の構造でした。ホームは線路の北側に位置しており、新港東口駅へと向かう列車から見ると右手側になります。

この駅はすでに無人化されており、かつて存在したとされる駅舎は撤去されていましたが、ホーム上には待合所が設置されていました。

駅周辺

打出駅の周辺には、廃止時点で以下のような施設がありました。

国道415号
貴船神社

駅跡地

射水線の廃線後、線路が敷かれていた場所の多くは再利用されています。打出駅があった区間も含め、旧四方駅の南側あたりから、かつての終点であった新港東口駅付近までの線路跡地は、サイクリングロードとして整備されています。1997年や2006年、2010年の調査時点でも、この区間は変わらずサイクリングロードとなっていました。

隣の駅

富山地方鉄道射水線における、廃止時点での打出駅の隣駅は以下の通りです。

四方駅 - 打出駅 - 本江駅

なお、かつて四方駅と初代打出駅（後の富山飛行場前駅）の間には、和合ノ浦駅（わごのうらえき）という駅が存在していました。この駅は1929年（昭和4年）7月9日に開業しましたが、わずか2年後の1931年（昭和6年）6月4日には廃止されています。

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