扶桑町図書館

扶桑町図書館は、愛知県丹羽郡扶桑町にある公共図書館です。1974年に図書室として開館し、1987年に現在の図書館となりました。町民の学習や文化活動を支える拠点として、長年にわたり親しまれています。

概要

2013年度末の蔵書数は142,468点、貸出数は342,402点でした。当時の扶桑町の人口が34,270人だったため、1人あたり約6.4冊が貸し出された計算になります。総貸出数のうち、町民による貸出数は220,190点で、残りの122,212点は町外からの利用でした。2013年度の図書館予算は3,555万8,000円で、そのうち資料購入費は1,044万9,000円でした。

歴史

図書室時代（1974年～1987年）

1950年に建設された扶桑町中央公民館では、様々な講座や講演会が開催されていました。1974年5月、扶桑町立扶桑中学校体育館の2階の一部が中央公民館分室となり、その中に扶桑町図書室が開設されました。開室当初の蔵書数は1,321冊で、週に2日程度の開館でした。1980年1月には蔵書数が8,370冊に増加しました。

1980年12月、扶桑町中央公民館の新館が建設され、図書室は中学校体育館から公民館の一室に移転しました。これにより、休日を除く毎日開館となり、1985年3月には蔵書数が1万数千冊に達しました。利用者が増加するにつれて、町民の間で独立した図書館の建設を求める声が高まりました。図書館開館前の1986年時点で、図書室の床面積は80平方メートル、蔵書数は約18,000冊でした。

扶桑町図書館（1987年～）

1985年4月に図書館の建設が決定し、扶桑町図書館資料館建設審議会が設置されました。建設場所は、扶桑町中央公民館、扶桑町立扶桑北中学校、扶桑文化会館が集まる「文化ゾーン」に決定しました。1986年8月に着工、1987年3月に竣工し、建設費は3億7,000万円でした。

図書館条例や規則を制定し、図書や視聴覚機器などを購入した後、1987年7月25日に扶桑町図書館が開館しました。1階には一般開架室、児童開架室、視聴覚コーナー、ラウンジコーナー、レファレンス室、閉架書庫などがあり、2階には学習室、視聴覚室、ギャラリーなどがあります。建物外観はレンガ色を基調としており、入口へのアプローチは緑豊かな並木道となっています。敷地の北側には日本庭園があります。シンボルタワーは「人と人とのふれあい」を象徴するデザインです。

開館時の蔵書数は約30,000冊でした。開館時間は10時から18時で、休館日は火曜日、第3金曜日、祝日、年末年始でした。開館と同時に、名鉄犬山線の扶桑駅と柏森駅に返却ポストが設置されました。開館から半年間の入館者数は95,869人、貸出点数は108,443点と非常に多く、地元新聞でも「驚異的な数字」と報じられました。10代の利用者を意識し、ヤングコーナーを設置したり、毎月人気ミュージシャンのライブ映像を上映する「ヤング・ミュージック広場」を開催するなど、様々な取り組みが行われました。1988年8月には複製絵画の貸出、1989年8月にはビデオテープの貸出を開始しました。

1992年11月17日、第78回全国図書館大会で日本図書館協会から優秀図書館として表彰されました。これは、「住民の生涯学習拠点としての運営に努めた優れた活動」が評価されたものです。1991年度末の蔵書数は85,236冊でしたが、1993年度末には101,347冊となり、10万冊を超えました。1993年度には、ビデオが5,646点、複製絵画が870点貸し出されました。

1999年11月には、愛知県図書館とオンラインで接続されました。2002年5月にはレファレンス室に利用者用インターネットパソコンが設置され、2003年8月には公式ウェブサイトが開設されました。2004年1月には、尾張北部広域行政圏内の5市2町の公立図書館と相互利用を開始し、どの図書館でも貸し出しが可能になりました。2005年8月には、東海地区図書館協議会の資料相互利用に関する協定に参加し、大学図書館との資料相互利用も開始しました。2012年12月には、国立国会図書館レファレンス協同データベースに参加しました。

利用案内

詳細な利用案内については、公式ウェブサイトをご確認ください。

事業

図書館では、様々な事業やイベントが開催されています。詳細は公式ウェブサイトでご確認ください。

ギャラリー

館内の様子やイベントの様子は、公式ウェブサイトで写真や動画で公開されています。

脚注

[1] 扶桑町図書館『平成29年版図書館年報（平成28年度実績）』扶桑町図書館、2017年。
[2] 扶桑町教育委員会、扶桑町史編集委員会『扶桑町史下』扶桑町、1998年。

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