承光 (夏)

承光（じょうこう）は、五胡十六国時代、夏の君主であった赫連昌（かくれんしょう）の治世で使用された元号です。その期間は425年7月から428年2月までと、比較的短いものでした。

元号の表記に関して、『晋書』では「承光」と記されていますが、『魏書』や『太平御覧』といった史書では「永光」と表記されています。この食い違いは、当時の記録の伝承における混乱を示唆しているのかもしれません。また、興味深いことに、甘粛省からは「承陽二年崔在[丙]寅」と記された北涼代の塔が出土しています。北涼は夏の正朔（暦）を使用していたため、この「丙寅」は承光2年の干支に相当すると考えられています。

この出土品を根拠に、承光は「承陽」の誤記ではないかという説も存在します。しかし、北涼が同韻で字義も類似する「陽」という字で「光」を代替した可能性も考慮に入れるべきでしょう。元号は政治的な意味合いを持つことがあり、北涼が何らかの意図を持って文字を置き換えたとしても不思議ではありません。

この推測を裏付けるように、北涼が後に北魏の正朔を使用した際、「延和」を「太延」と、「縁禾」を「太縁」というように、音の近い漢字表記を使用した例があります。このように、元号の表記は時代や政治状況によって変化することがあり、その背景を理解することが重要です。

以下に、承光と西暦、干支の対応表を示します。


参考文献

李崇智『中国歴代年号考』（中華書局、2004年）

関連項目

他王朝の承光
* 他王朝の永光

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