投影法 (地図)

投影法について

地図学において、投影法とは、三次元の球体である地球の表面を、二次元平面上に表現する技術を指します。地図を作成する際、地球を球体のままで縮小して描く場合には大きな歪みが発生しませんが、平面上に描く場合には必ず何らかの歪みが生じます。地図の用途によっては、これらの歪みを最小限に抑える工夫が求められます。

狭い範囲の地図、例えば市区町村や都道府県の地図では、一般的な投影法を使用しても歪みの程度が小さく、特に問題はありません。しかし、日本全図や世界地図など、この面積が大きくなると、顕著な歪みが発生します。そのため、地図を作成する目的に応じて、適切な投影法を選定することが重要です。

分類と命名

地図投影法の名称は、主に発明者の名前に由来するものと、性質や光源の位置により命名されるものがあります。例えば、「メルカトル図法」は発明者の名前から、「正距方位図法」はその性質から名づけられています。

性質を表す語の種類

• - 正積（equal-area）：面積が正確に表現される。
• - 正角（conformal）：角度が正確に表現される。
• - 正距（equidistant）：特定の基準からの距離が正確に表現される。

光源位置による分類

• - 心射：光源が地球の中心に位置する場合。
• - 平射（stereographic）：光源が基準点の反対側にある場合。
• - 正射（orthographic）：無限遠方からの平行光による投影。

具体的な図法

方位図法

方位図法は特定の基準点からの方向を正確に表現した図法であり、基準点からの放射状に描かれます。この図法では、緯線が同心円型、経線が放射状の直線として表現されます。

円筒図法

この方法では、地球を円筒で包み込むように投影し、緯線と経線を直線で示します。結果として得られる地図は長方形になります。

円錐図法

円錐状の投影面が利用され、緯線は同心円、経線は放射状に描かれます。これにより、方向や面積の正確な表現が可能となります。

擬円筒図法と擬円錐図法

これらは、それぞれの投影法の条件を変えることで、特定の性質を改善しようとした技法です。例えば、サンソン図法はランベルト正積円筒図法を改良し、高緯度地域の歪みを抑えるようになっています。

混合図法と多面体図法

混合図法は、異なる2種類の投影法を組み合わせたものです。また、多面体図法は地球を多面体として表現し、その各面を主に心射図法で描かれます。

地図投影法は、地図を作成する上で欠かせない技術であり、各種の投影法がその特性に応じて利用されています。適切な投影法を選ぶことで、目的に合った地図の作成が可能となり、情報の正確な伝達が実現します。

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