サンソン図法

サンソン図法は、地図投影法の一種であり、正弦曲線図法（sinusoidal projection）とも呼ばれています。この図法の名前は、17世紀のフランスの地理学者ニコラ・サンソンが1650年に発行した地図帳に用いたことに由来しますが、実際には16世紀からゲラルドゥス・メルカトルなど、他の地図製作者も使用していました。そのため、実際の考案者は不明とされています。また、イギリスの天文学者ジョン・フラムスティードが星図に使用したことから、サンソン＝フラムスティード図法と呼ばれることもあります。

特徴

サンソン図法は、擬円筒図法に分類され、地図上の任意の場所で実際の面積との比が等しくなる正積図法です。正軸の場合、赤道上と中央経線上での距離の比は等しくなります。モルワイデ図法と比較されることが多いですが、サンソン図法では赤道付近と中央経線付近の形状が正確に表されるのに対し、モルワイデ図法では赤道付近が縦に伸びて歪みが生じます。また、サンソン図法では赤道だけでなく、他の緯線でも緯線上だけで見れば赤道と同じ距離の比になります。しかし、中央経線から離れた中高緯度帯では、外周の正弦曲線の形状に合わせて歪みが大きくなります。極部分では経線が直線的に集まるため、さらに歪みが大きくなり、正確な形状は表現できません。

地球全体を表す主題図としては不向きですが、他の図法に比べて計算が容易であるという利点があります。

投影式

正軸の場合、経度λ、緯度φ（単位は共にラジアン）、地球半径Rを用いて、以下の式で表されます。

math
x = R\lambda \cos \phi


math
y = R\phi


Rを実際の地球半径(約6378km)として1:1の地図を出力した場合、縦は約20037km、横は約40074kmとなります。

サンソン図法を利用した他の図法

サンソン図法は、他の地図投影法の基礎としても利用されています。

グード図法（ホモロサイン図法）: 低緯度地域をサンソン図法、高緯度地域をモルワイデ図法で描き、南北緯40°44′の緯線で接合した地図です。一般的には、各所に切れ込みを入れて大陸の歪みを小さくした断裂法が有名です。
断裂サンソン図法: 上記の断裂法を、サンソン図法そのものに適用した地図です。

関連項目

世界地図
メルカトル図法
* ボンヌ図法 - サンソン図法はボンヌ図法の特殊な場合です。

この情報から、サンソン図法は地図投影法の中でも特有の歪みを持つ一方で、面積を正確に表現できるという特徴を持つことがわかります。また、他の地図投影法の基礎としても用いられていることが理解できます。

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