折れた槍

『折れた槍』（原題：Broken Lance）は、1954年に公開されたエドワード・ドミトリク監督によるアメリカ映画です。この作品は、1949年にジョーゼフ・L・マンキーウィッツが監督した『他人の家』のリメイクであり、ジェローム・ワイドマンが1941年に発表した小説“I'll Never Go Home Any More”を原作としています。

ストーリー

本作は、広大な牧場を経営する裕福な一家を中心に展開します。一家の長である父親と、その息子たちの間で繰り広げられる確執や、それぞれの愛憎が複雑に絡み合う物語です。家族の絆、裏切り、そして和解という普遍的なテーマを、西部劇という舞台設定の中で描いています。

物語は、父親が厳しい支配者として家族に君臨する一方で、息子たちはそれぞれの個性と欲望を持ち、その中で葛藤します。兄弟間の争いや、父親との対立が、物語の推進力となり、観る者を惹きつけます。特に、兄弟間の複雑な感情や、父親の過去の秘密が明らかになるにつれて、物語は深みを増していきます。

キャスト

主要なキャストは、当時のハリウッドを代表する俳優たちが名を連ねています。それぞれのキャラクターが持つ内面的な葛藤を、見事に演じきっています。映画の中で描かれる人間ドラマは、観る者に深い感動を与えます。

テレビ放送

この映画は、過去に日本でも何度かテレビ放送されています。

NETテレビ版：1969年6月14日21:00 - 22:26に『土曜映画劇場』で初回放送されました。
フジテレビ版：1972年8月4日21:00 - 22:56に『ゴールデン洋画劇場』で初回放送されました。

スタッフ

監督：エドワード・ドミトリク

脚本：リチャード・マーフィ

原案：フィリップ・ヨーダン

撮影：ジョセフ・マクドナルド

編集：ドロシー・スペンサー

音楽：リー・ハーライン

受賞とノミネート

この映画は、その質の高さから数々の賞にノミネートされ、実際に受賞もしています。

第27回アカデミー賞
受賞：原案賞 - フィリップ・ヨーダン
ノミネート：助演女優賞 - ケティ・フラド

第12回ゴールデングローブ賞
受賞：国際賞 - エドワード・ドミトリク

作品の評価

『折れた槍』は、西部劇というジャンルでありながら、家族のドラマを深く掘り下げた作品として評価されています。監督エドワード・ドミトリクの演出力、そして出演者の演技力によって、観る者の心に深く残る作品となっています。特に、家族間の愛憎や、人間の複雑な感情を見事に描き出している点が、この作品の大きな魅力です。また、リメイク作品でありながら、オリジナルの作品とは異なる視点や解釈が加えられ、新たな魅力を引き出している点も特筆すべきでしょう。

外部リンク

折れた槍 - allcinema
折れた槍 - KINENOTE
Broken Lance - オールムービー（英語）
Broken Lance - IMDb（英語）
Broken Lance - TCM Movie Database（英語）
* Broken Lance - American Film Institute Catalog（英語）

『折れた槍』は、単なる西部劇に留まらず、人間の普遍的な感情を描いた作品として、今なお多くの人々に愛されています。

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