第12回ゴールデングローブ賞

1954年の映画作品を対象とした第12回ゴールデングローブ賞の授賞式は、1955年2月24日、ロサンゼルスのアンバサダーホテルで盛大に開催されました。この年、映画界の最高峰に贈られる数々の賞が、才能あふれる俳優や監督、そして傑作映画たちに贈られました。

最も注目を集めたのは、エリア・カザン監督の『波止場』でしょう。この作品は、作品賞（ドラマ部門）と監督賞に加え、主演男優賞（ドラマ部門）をマーロン・ブランドが受賞するなど、主要部門を席巻しました。ブランドの圧倒的な演技は、観客の心を捉え、ゴールデングローブ賞の選考委員の心にも深く刻まれたと言えるでしょう。

ミュージカル・コメディ部門では、『カルメン』が作品賞を受賞。一方、主演男優賞（ミュージカル・コメディ部門）は『スタア誕生』で熱演を見せたジェームズ・メイソンが、主演女優賞（ミュージカル・コメディ部門）は同作で輝く歌声を披露したジュディ・ガーランドがそれぞれ受賞しました。

『スタア誕生』は、ミュージカル・コメディ部門において、主演男優賞と主演女優賞の両方を獲得した、記憶に残る作品となりました。それぞれの俳優の演技、歌声、そして作品の持つ魅力が、高く評価されたと言えるでしょう。

そのほか、ドラマ部門では、グレース・ケリーが『喝采』で主演女優賞を受賞。彼女の気品と演技力は、観客を魅了し続け、多くの賞賛を集めました。助演男優賞には『裸足の伯爵夫人』のエドモンド・オブライエン、助演女優賞には『紅の翼』のジャン・スターリングがそれぞれ輝きました。

脚本賞には『麗しのサブリナ』のアーネスト・レーマンが選ばれ、その巧みなストーリーテリングが称賛されました。また、外国語映画賞には、イギリスの『おかしなおかしな自動車競争』、アルゼンチンの『憂愁』、西ドイツのNo Way Back、そして日本の『二十四の瞳』がノミネートされ、世界中から優れた作品が集まりました。

さらに、ヘンリエッタ賞は、グレゴリー・ペックとオードリー・ヘプバーンに、セシル・B・デミル賞はジーン・ハーショルトに贈られました。これらの賞は、映画界への多大なる貢献を称える名誉ある賞であり、受賞者たちの功績を物語っています。

技術部門では、撮影賞（カラー）を『ブリガドーン』のジョセフ・ルッテンバーグが、撮影賞（白黒）を『波止場』のボリス・カウフマンが受賞しました。これらの受賞は、作品の世界観を彩る重要な役割を果たした撮影技術の高さを示しています。国際賞は『折れた槍』の監督、エドワード・ドミトリクが受賞しました。

そして、将来を嘱望される若手俳優、女優たちへの新人賞も発表されました。新人男優賞にはジョー・アダムズ、ジョージ・ネイダー、ジェフ・リチャーズが、新人女優賞にはシャーリー・マクレーン、キム・ノヴァク、カレン・シャープが選ばれ、映画界の未来を担う存在として期待を集めました。

第12回ゴールデングローブ賞は、『波止場』の圧倒的な活躍をはじめ、様々な傑作映画や才能ある俳優、監督たちの功績を称える、華々しい授賞式となりました。この年の受賞作品や受賞者たちは、映画史に名を残す、重要な存在と言えるでしょう。

もう一度検索