『一発貫太くん』
『一発貫太くん』(いっぱつかんたくん)は、
1977年9月18日から
1978年9月24日までフジテレビ系列で放送されたアニメ作品です。制作はフジテレビと
タツノコプロの共同であり、全53話から成ります。本作は毎週日曜日の18:00から18:30の時間帯に放送されていました。
概要
本作は、読売広告社からの「根性ものでない
スポーツものを」というリクエストに応じて制作された少年野球がテーマのアニメです。
タツノコプロは、1976年まで放送されていた人気アニメ『てんとう虫の歌』の要素を取り入れつつ、家庭ドラマやコメディの要素も盛り込んでいます。特に1976年に公開された映画『
がんばれ!ベアーズ』の人気が影響していると考えられています。
放送当時の平均
視聴率は15.6%と記録されており、多くの視聴者に親しまれました。残念ながら、
タツノコプロの社長、吉田竜夫は放送開始直前に逝去されており、この作品は彼の遺作の一つとなりました。彼の名前は後の放送でもクレジットされ続けました。この時期に入社した
押井守は、アニメ演出家として本作がデビュー作でした。
あらすじ
物語の舞台は、戸馳(とばせ)一家です。彼らは草野球チーム「ホーマーズ」として活躍を繰り広げます。家族の絆や友情、野球への情熱が描かれており、特に小さな兄弟たちの成長と奮闘がストーリーの中心です。
登場人物
- - 戸馳 貫太(とばせ かんた): 本作の主人公で、戸馳家の三男。小学5年生で情に厚い性格。ポジションはサード、背番号は3。
- - 戸馳久美子: 貫太の母で「ホーマーズ」のオーナー兼監督。丈夫な母親で、子供たちをサポートしながら野球を学ばせます。
- - 戸馳一郎: 長男で中学生の兄。冷静かつリーダーシップを発揮し、ポジションはピッチャー。
- - 戸馳二郎: 次男。大柄でのんびりした性格。ポジションはキャッチャー。
- - 戸馳四郎: 四男で勉強家。ポジションはセカンド。
- - 戸馳五子と六子: 双子の姉妹で、個々に異なる性格を持ちます。
- - 戸馳七郎: スマートなプレースタイルを目指す五男。
- - 戸馳幼吉: 末っ子の甘えん坊。
- - 野球十兵衛: 戸馳家の犬で、言葉を話しチームメンバーとして活躍。
スタッフと音楽
本作は、吉田竜夫を製作総指揮とし、音楽は市川昭介が担当しました。オープニングテーマ「やるぞ一発!野球道」やエンディングテーマ「ホーマーズの歌」は、今でも多くの人に親しまれています。
他作品との関連
貫太は、学習漫画などにイメージキャラクターとして登場したり、同じ時期に放送された『
ヤッターマン』にも関連キャラクターとして登場したことがあります。また、2019年には『パンドラとアクビ』という映画にも貫太をモデルにしたキャラクターが登場するなど、今なおその影響力は続いています。
最後に
『一発貫太くん』は、家族や仲間との絆を強調した温かい物語であり、多くの視聴者に感動を与えた作品です。少年たちの成長と努力を描いたこのアニメは、今でも多くのファンに愛されています。