拓跋健

拓跋健（生年不詳 - 447年）は、北魏の皇族であり、永昌王に封じられました。

生い立ちと初期の事績

明元帝と尹夫人の間に生まれました。422年に永昌王に封じられ、その生涯を北魏のために捧げました。彼は容貌魁偉であり、弓術や馬術に長け、兵法にも通じていたと伝えられています。

軍事的な活躍

太武帝の時代には、数々の戦役に参加し、その武勇を発揮しました。夏の赫連昌を破り、西方では木根山までを攻略するなどの功績を挙げました。432年には、太武帝が北燕を討伐した際、撫軍大将軍として別軍を率い、建徳を攻め落としました。この戦いでの彼の活躍は、北魏の勢力拡大に大きく貢献しました。

437年には、稽胡の白龍の残党を西河で平定しました。この討伐戦を通じて、拓跋健は地域の安定に尽力し、北魏の支配を確固たるものとしました。439年、太武帝が柔然を討伐して帰還する際には、しんがりを務めました。柔然軍が1万騎で追撃してきたのに対し、拓跋健は数十騎で迎え撃ち、矢を放つごとに敵を射倒したため、柔然軍は意気阻喪し撤退しました。この功績により、彼の武勇は北魏内外に広く知れ渡ることとなりました。

また、涼州の平定にも従軍し、多くの功績を挙げました。440年には、禿髪保周を破り、自殺させ、その首級を平城に送りました。さらに、沮渠無諱を降伏させるなど、涼州平定戦において重要な役割を果たしました。

死去とその後

447年9月、拓跋健は死去しました。諡は荘王とされました。彼の死後、子の拓跋仁が後を継ぎましたが、後に濮陽王閭若文とともに叛乱を計画し、発覚して死を賜り、封国は除かれるという悲劇的な結末を迎えました。拓跋健自身の功績は目覚ましいものでしたが、後継者の問題により、その血筋は絶たれることとなりました。

人物評

拓跋健は、北魏の皇族として生まれ、その武勇と知略によって数々の戦で勝利を収めました。彼の活躍は、北魏の勢力拡大と安定に大きく貢献しましたが、晩年は子の反乱という不幸に見舞われました。しかし、彼の軍事的な才能と勇気は、歴史に名を残すものとして評価されています。

伝記資料

『魏書』巻17 列伝第5
『北史』巻16 列伝第4

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