掌/くるみ

Mr.Childrenシングル『掌/くるみ』

このシングル『掌/くるみ』は、2003年11月19日にトイズファクトリーからリリースされた、日本の人気バンドMr.Childrenの25枚目の作品です。本作は、シングルとしては初めての両A面形式をとっており、通常盤のみでの販売となりました。CD EXTRAでは「掌」のミュージック・ビデオも収録されています。

リリースの背景

このシングルは、前作『HERO』から約1年ぶりのリリースであり、桜井和寿が小脳梗塞の疑いにより2002年7月からの活動休止を経て、音楽活動を本格的に再開するきっかけとなった重要な作品です。また、「タガタメ」という新曲がラジオで公開されましたが、本シングルに収録されることはありませんでした。

アートディレクションは信藤三雄が担当し、楽曲の制作には想いやビジョンが色濃く反映されています。特に「掌」という楽曲は、時代の矛盾や戦争の影を背景にしたメッセージ性の強い曲となっています。

チャート成績

リリース後、本作はオリコンチャートで2週連続1位を保持し、10週連続でトップ10にランクインしました。2004年度のオリコン年間シングルチャートでは5位に位置し、”Sign”とともに年間TOP10入りを果たしました。初週の売上は28.7万枚、最終的には65.2万枚の累計売上を記録しています。

収録楽曲の解説

掌

「掌」は、A面曲としては2000年発売のシングル『口笛』以来のノンタイアップ曲です。この曲について桜井は、「どうすれば納得や決着を付けられるのかを考えた」と語っており、戦争についての思索が影響を与えています。曲中で民族音楽的な要素を用い、カオスを表現しようとしたとも言われています。また、アリーナツアーではライブアレンジが施され、歌詞やメロディに新しい要素が加わって披露されています。

ミュージック・ビデオは、島田大介が監督を務めており、様々なメディアで再公開されています。

くるみ

「くるみ」は、NTTドコモのCMに起用されましたが、リリース後にタイアップが行われました。この曲は、23rdシングルのカップリング曲の制作時に生まれたものであり、桜井はその詞に特別な感情を込めました。特に「どこかで掛け違えてきて」といったフレーズは、思い入れの深い部分であると彼は述べています。

曲のタイトルは「未来」を反転させたもので、桜井は「新生児にこの名前が流行してほしい」とも語っており、歌が広まることを願っていました。この楽曲のミュージック・ビデオも秀逸で、架空のバンド「Mr.ADULTS」が登場し、ストーリー性のある演出が施されています。

また、別バージョンの「くるみ -for the Film- 幸福な食卓」が映画の主題歌として使用され、2023年にはアルバム『miss you』の収録曲にもオマージュされています。

テレビ出演とライブ映像作品

『掌/くるみ』は、様々なテレビ番組やライブ映像作品でも披露されており、Mr.Childrenのパフォーマンスを通じて感動を与え続けています。特に、アリーナツアーなどでは新しいアレンジが加わり、観客を魅了するパフォーマンスが行われてきました。

このシングルは、Mr.Childrenの音楽的な冒険心やメッセージの深さを表した大変意義深い作品であり、今後も長く愛され続けることでしょう。

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