東京綜合写真専門学校

東京綜合写真専門学校は、1958年に写真批評家の重森弘淹、渡辺勉、玉田顕一郎らによって「東京フォトスクール」として創設されました。当初は4ヶ月の基礎コースのみでしたが、1960年に現在の名称に変更し、新宿区下落合へ移転しました。その後、1963年に現在の神奈川県横浜市港北区日吉に校舎を構え、1976年には写真専門学校として日本で初めて専修学校制度に移行しました。

特徴

創立以来、篠山紀信や操上和美など、日本の写真界を代表する写真家を多数輩出してきました。また、卒業生の中には、大阪芸術大学の土田ヒロミ、武蔵野美術大学の小林のりお、東京芸術大学の鈴木理策など、美術系大学の写真学科で教鞭を執る者も多く、日本の写真教育の発展に大きく貢献しています。卒業生は、オリジナルプリントの制作や自主ギャラリーの経営、写真専門の書籍販売など、シリアスな作品を追求する写真作家が多く、マスコミ、コマーシャル、写真産業など幅広い分野で活躍しています。

教育においては、バウハウスの理念を参考に、特定の分野に偏らない総合的な教育を行っています。ヴァルター・ベンヤミンの『写真小史』などの写真評論を教材として用い、表現力と批評精神を備えた写真家の育成を目標としています。3年制のカリキュラムで余裕を持って学べる点も特徴で、少人数制のゼミナールによるマンツーマン教育が展開されています。技術教育だけでなく、表現教育を重視し、自由な創造空間を提供しています。

沿革

1958年 - 「東京フォトスクール」として開校。
1959年 - 「東京綜合写真専門学校」に改称。
1963年 - 現在地（日吉）に移転。
1966年 - 学校法人写真学園設立。
1971年 - ユージン・スミス講演会開催。
1973年 - 雑誌『写真批評』創刊。
1976年 - 専門課程設置認可。
1992年 - 創立者・重森弘淹が死去。土田ヒロミが校長に就任。
1997年 - 森裕貴が校長に就任。
1993年 - 重森弘淹顕彰会設立。
2001年 - 藤田直道が校長に就任。
2002年 - 谷口雅が校長に就任。
2012年 - 伊奈英次が校長に就任。
2018年 - 敷地内に保育園「みんなのみらい日吉園」を併設。

設置学科

写真芸術第1学科（昼間部、3年制）
写真芸術第2学科（夜間部、2年制）
* 研究科（2年制）

交通アクセス

神奈川県横浜市港北区箕輪町2-2-32に位置し、東急東横線の日吉駅から徒歩6分です。渋谷駅から約20分、横浜駅から約15分でアクセス可能です。

講師陣

多様な専門分野を持つ講師陣を擁しており、写真表現の実践指導に加え、写真史や評論などの講義も行っています。現在の講師として、谷口雅、伊奈英次、稲木秀臣、岩岸修一、大西みつぐ、小野智光、加藤洋一、金村修、後藤元洋、小林晴夫、雑賀雄二、榊原ようこ、柴田敏雄、鈴木理策、高橋和海、田村彰英、中本佳材、野々下猛、林憲治、林隆喜、松岡達也、森田衣起、柳本史歩、渡辺兼人、渡部良治などが挙げられます。また、講義担当として、秋田考弘、阿部聡子、飯沢耕太郎、小田智子、上野修、金子隆一、小林等、斉藤一政、杉田敦、出口丈人、永井宏、永瀬唯、野村梓、和田正昭などがいます。

主な出身者

須田一政、鈴木清、土田ヒロミ、森裕貴など、多くの著名な写真家や教育者を輩出しています。


東京綜合写真専門学校は、創立以来、写真教育の分野で重要な役割を果たしており、今後も写真文化の発展に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索