参与官

参与官（さんよかん）とは

参与官は、大正13年（1924年）8月12日から昭和23年（1948年）4月14日まで、日本の各省に設置されていた勅任官です。この役職は、護憲三派内閣（加藤高明内閣）の時代に、従来の勅任参事官に代わって設けられました。

参与官の役割と位置づけ

参与官は、政務[[次官]]の下に、貴族院または衆議院の議員から政治任用によって選ばれた者が任命されました。その主な役割は、大臣の補佐と帝国議会との交渉です。現代の日本における大臣政務官に相当する官職とされています。

しかし、参与官と大臣政務官には、いくつかの重要な違いがあります。現行の大臣政務官は、大臣、副大臣に次ぐ地位であり、事務[[次官]]よりも上位に位置づけられています（大臣 - 副大臣 - 大臣政務官 - 事務[[次官]]）。一方、参与官は、各省次官の次位に位置していました（大臣 - 政務[[次官]] - 各省次官 - 参与官）。

設置時の議論

参与官制度を導入する際、陸軍省と海軍[[省]]にも設置するかどうかが問題となりました。軍部は、統帥権の観点からこの設置に強く反対しました。最終的には、参与官を軍機に関与しない名誉職とすることで、軍部の同意を得ることができました。

参与官制度の終焉

参与官制度は、戦後になって「政務[[次官]]の臨時設置に関する法律」（昭和23年法律第26号附則第5条）により廃止されました。その後、平成13年（2001年）の中央[[省庁再編]]まで、大臣、政務[[次官]]、大臣秘書官以外の各省庁の官職は、原則として職業公務員によって占められることとなりました。

過去の参与官制度

実は、参与官制度は過去にも存在しました。明治31年（1898年）10月、隈板内閣（第一次大隈内閣）によって、陸軍省と海軍[[省]]を除くすべての省に設置されたのです。しかし、内閣が短期間で倒れたため、参与官制度は名目だけの存在となり、翌年4月には第二次山県内閣によって廃止されました。

まとめ

参与官は、大正から昭和初期にかけて、各省において大臣を補佐し、議会との連携を担った重要な役職でした。現代の政務官に似た役割を担っていましたが、その位置づけや設置の背景には、当時の政治状況や制度的な制約が色濃く反映されています。

参考文献

「参与官」、デジタル大辞泉（2016年8月31日閲覧）
「参与官」、大辞林 第三版（2016年8月31日閲覧）
古屋哲夫『帝国議会史』 第一巻「第五五回帝国議会 貴族院・衆議院解説」

関連項目

過去の官制
内閣顧問（明治初期）
参事官
政務[[次官]]
各省次官
内閣参議
内閣顧問（戦中昭和）
現行官制
副大臣
大臣政務官
事務[[次官]]
* 内閣特別顧問

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