政府支援機関

政府支援機関（GSE）とは

政府支援機関（Government Sponsored Enterprise、GSE）は、アメリカ合衆国連邦議会が、公共性の高い事業遂行を目的に設立した株式会社です。日本語では、政府支援法人、政府援助法人とも呼ばれます。日本における特殊会社や特別民間法人に類似する組織と考えると理解しやすいでしょう。

GSEは、政府からの直接的な出資は受けませんが、監督官庁と設置根拠法を持ち、公共的な目的を定めた定款によって運営されます。定款の変更には制限が加えられる点が特徴です。

GSEの目的

GSEの主な目的は、住宅、農業、教育といった分野への信用供与を強化し、投資家のリスクを軽減することで、対象分野への投資や資金供給を促進することです。

各分野におけるGSEの例

住宅金融分野
連邦住宅抵当公庫（Federal National Mortgage Association（FNMA）、ファニーメイ）
連邦住宅金融抵当公庫（Federal Home Loan Mortgage Corporation（FHLMC）、フレディマック）
12行の連邦住宅貸付銀行（Federal Home Loan Banks（FHLBank））

ファニーメイとフレディマックは、ニューヨーク証券取引所に株式を上場している上場会社でもあります。

農業金融分野
連邦農業信用銀行（Farm Credit Bank; FCB）：米国農業信用制度の系統中央機関
連邦農業抵当公社（Federal Agricultural Mortgage Corporation; FAMC, ファーマーマック）：住宅金融におけるファニーメイやフレディマックと同様の役割を担います。

教育分野
かつては、学資ローンを担うSLM（サリーメイ）が存在しましたが、現在は完全民営化されています。

GSE債について

GSEは、株式会社として株式を発行するほか、不動産担保証券（Mortgage-backed securities（MBS））や社債などの債券を発行します。GSEが発行した債券はGSE債と呼ばれ、市場では事実上、政府保証の裏付けを持つものとみなされる傾向があります。そのため、国債に準じる安全確実な資産として扱われることが一般的です。

サブプライムローン問題とGSE

2007年に表面化したサブプライムローン問題では、GSEが発行した不動産担保証券の価値下落が懸念され、GSEの資本不足が不安視されました。この事態を受け、2008年9月、アメリカ合衆国政府は、GSEの救済と住宅市場の安定化を図るため、GSEが発行した不動産担保証券の買い取りを開始しました。

関連項目

連邦政府抵当金庫（ジニーメイ）

外部リンク

* 連邦政府機関及び政府支援機関（GSE）の概要 - 国土交通省住宅局

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