政府税

政府税とは

政府税とは、琉球政府が課税した税金のことで、日本本土における国税や県税に相当するものです。琉球政府が発足した際、戦前の国税・県税に相当する税を政府税として設定しました。その後も、日本の税制を参考にしながら制度が整備されましたが、相続税や贈与税が存在しないなど、国税とは異なる点もありました。相続や贈与によって取得した財産は、所得税の一時所得として課税されていました。

政府税の一覧

以下は、1972年時点での政府税の一覧です。

直接税

所得税
法人税
自動車税
鉱区税

間接税

酒税
酒類消費税
煙草消費税
葉たばこ輸入税
通行税
娯楽税
遊興飲食税
物品税
し好飲料税
砂糖消費税
石油税
とん税
特別とん税
石油ガス税
印紙税
登録免許税

非琉球住民に対する課税

米国民政府は、非琉球住民（本土籍の日本国民を含む）に対する課税に関して、いくつかの特例を設けました。これは、当時のアメリカの内国歳入法を参考にしたものです。

課税対象者: 琉球列島への入域を認められた非永住者。
課税対象所得: 琉球列島で得た所得。
課税期間: 毎年7月1日から翌年の6月30日までを1課税年度とする。
税額計算: 布令に基づく控除額や税率によって税額を計算する。
共同申告: 5400ドル以上の純所得がある既婚者は、二分二乗方式による共同申告が可能。
短期滞在者: 1課税年度に満たない短期滞在者は、滞在期間中の所得を年間所得に換算し、そこから算出された年税額を滞在期間に応じて納付する短期申告制度が適用。
給与所得者: 源泉徴収を受けた給与所得のみを有する非琉球住民は、年末調整ではなく確定申告によって還付を受ける。

これらの特例措置の結果、琉球住民と非琉球住民の間で税負担額に差が生じ、非琉球住民の方が税金が安くなるケースがあり、「課税平等の原則」に反するという批判もありました。非琉球住民への課税事務を行うため、専門の「外人税務署」が設置されました。

関連項目

琉球政府
琉球住民
外人税務署
アメリカ施政権下の沖縄の法令
国税
* 地方税

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