外人税務署

外人税務署（Non-Ryukyuan Tax Office）について

外人税務署は、1958年から1972年まで、琉球政府によって設置されていた特別な税務署です。この税務署は、琉球住民ではない人々、つまり非琉球住民（本土籍の日本国民を含む）を対象とした税務事務を専門に扱っていました。

設置の背景

琉球政府は、アメリカ合衆国の施政下にあった沖縄において、税制を運営していました。しかし、非琉球住民に対する税制については、米国民政府によっていくつかの特例が設けられていました。これにより、非琉球住民は通常の琉球住民とは異なる課税方法が適用されることになり、その課税事務を専門的に扱う必要が生じました。このため、外人税務署が設けられることになりました。

特徴

外人税務署の大きな特徴は、その運営に米国内国歳入庁（IRS）の職員が関わっていた点です。IRS職員は、税務に関する技術的な指導を行い、琉球政府の税務行政を支援しました。これにより、アメリカの税制に関する知識や技術が導入され、琉球の税務行政の近代化に貢献しました。

外人税務署の庁舎は、琉球政府の行政府ビルの別棟に設けられました。これにより、政府との連携がスムーズに行われ、効率的な税務運営が実現しました。

組織

外人税務署は、以下の組織で構成されていました。

総務課：税務署全体の事務を統括する部署です。
調査第一課：税務調査を担当する部署の一つです。
調査第二課：税務調査を担当するもう一つの部署です。

これらの組織を通じて、非琉球住民に対する税務事務が適切に処理されていました。

消滅

外人税務署は、1972年の沖縄返還、すなわち沖縄県成立とともに廃止されました。沖縄が日本に復帰したことで、琉球政府の税制は日本の税制に統合され、外人税務署の存在意義は失われました。

関連事項

外人税務署について理解を深めるためには、以下の項目も参照すると良いでしょう。

琉球政府：外人税務署を設置した政府。
琉球住民：外人税務署が税務事務を管轄しない住民。
内政局→計画局→主税局：琉球政府の税務行政を担った組織の変遷。
琉球列島米国民政府：外人税務署の設置背景となったアメリカ統治下の政府。
政府税：外人税務署が扱う税金。非琉球住民の課税内容については、政府税を参照。

外人税務署は、沖縄の歴史における税制の特殊性を象徴する存在であり、その歴史的な意義は大きいと言えます。

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