政策科学研究所

政策科学研究所の歴史と変遷

政策科学研究所（せいさくかがくけんきゅうじょ）は、かつて存在した自由民主党の派閥であり、さまざまな変遷を経てきました。その起源は中曽根派に遡ります。中曽根派は、鳩山一郎の側近であった河野一郎の春秋会から発展しましたが、その後の派の分裂や、指導者の交替を経て、政策科学研究所という名称に改称されました。

中曽根派の形成

中曽根派は、1966年に佐藤栄作を支持するか否かで内部で分裂。佐藤不支持派は中曽根康弘を中心に「新政同志会」を結成し、これが中曽根派の始まりとなりました。1968年には中曽根が会長に就任し、派閥は主流派としての地位を築いていきます。派閥のスタート時点から、領袖の影響力は相対的に弱く、寄り合い所帯としての側面が強いものでした。

当初の中曽根派は、1972年の総裁選で田中角栄を支持し、1974年には三木武夫内閣を支援するも、政権支持に関してはその後も揺れ動きました。特に、1979年には福田派や三木派と共に非主流派連合を形成しましたが、状況が変わると再び主流派に合流する姿勢を見せました。

渡辺派への移行

1982年に中曽根が首相に就任した後、派閥名は政策科学研究所に改称されました。中曽根が首相として在任中、派内では渡辺美智雄と藤波孝生との間で後継者争いが勃発しました。しかし、リクルート事件の影響で藤波が失脚し、中曽根も政治の舞台から離れることになります。最終的に1990年に渡辺派が形成されましたが、その頃も中曽根の影響は残っていました。

渡辺派の迷走と衰退

渡辺派は、渡辺美智雄が会長となり、その後も中曽根の影響が色濃く残ったものの、内部では力量の対立が生じました。特に、中堅・若手議員の多くは渡辺の指導から離れ、各々の路線を模索するようになります。1993年の宮澤内閣不信任決議案採決では造反者が出るなど、内部の亀裂が顕著となりました。

1994年、渡辺は首相の座を目指しましたが、党内の支持基盤が揺らぎ、他派閥との連携が難航する結果となりました。渡辺は1995年に病で亡くなり、その後、旧渡辺派として集団指導体制に移行しました。

村上派の創設と新たな始まり

渡辺派が少数派閥となった後、『参院のドン』と呼ばれた村上正邦が新たな会長に就任しました。村上派の成立は、派閥の歴史の中でも特異なものであり、参議院議員が派閥をリードする事例は稀です。1999年には亀井静香グループとの合併によって、志帥会が結成され、政策科学研究所はその活動を終えることとなります。その結果、長きにわたる中曽根派からの歴史が幕を下ろしました。

結論

政策科学研究所は、政党内における派閥の興亡を象徴する存在でした。それぞれの派閥の指導者たちの指導力と政策方針が、政治の風向きをどのように変えていったのか、その過程は今も多くの教訓を私たちに伝えています。

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