救難員

航空自衛隊の救難員

航空自衛隊の救難員、正式にはJASDF medicは、航空士の中でも特化した職域であり、航空救難団の一員として活動しています。彼らの主な任務は、UH-60JやU-125Aなどの救難機に搭乗し、遭難者や傷病者を救助することです。過酷な環境での捜索救難活動には高い能力が求められており、選抜試験を通過した後も幅広い訓練を受ける必要があります。航空自衛隊50年史においても、救難員は「知力・体力・気力に秀で、冷静かつ果断に人命救助を行う屈強な隊員」として位置づけられています。

教育課程

救難員課程

救難員になるためには、航空自衛隊内での志願と部隊長の推薦が必要です。資格要件には、28歳以下で空曹または空士長の階級を持ち、特技職の中級以上の特技を有し、勤務成績が優良であることが求められます。試験は年に一度行われ、倍率は約5倍と非常に競争が激しいです。

選抜に合格すると、救難教育隊にて救難員（衛生）課程への入校が許可され、自衛隊病院での応急手当訓練や降下訓練が行われます。その後、約24週にわたる救難員課程を修了し、救難業務や航空機についての知識を習得します。特に海上行動に備えた訓練では、水泳や潜水技術について重点的に学ばれ、最も厳しいトレーニングとされています。

配属後の課程

救難員課程を修了した後も、救難隊への配属直後にすぐに出動するわけではありません。配属後には複数の訓練を受け、任務資格検定（OR）に合格することが必要です。その後、空挺レンジャー課程や救急救命士の訓練を受けることで、さらに技術を磨き続けます。

装備

救難員は、飛行士や他の航空士と同様の航空服装を着用することもありますが、救難活動においては専門の救難服装を着用し、さまざまな装備を携帯します。特に冬季の山岳救助の場合、食料や水、ビバーク用のツェルトなどを持参し、自身も生存できる能力が求められます。

海上進出時には、水温によって異なるスーツを選び、必要に応じてダイビング機材やシュノーケルも使用します。救難降下能力として、パラシュートの使用も特徴的です。方形傘（MC-5）の導入により、高度からの自由降下も可能になり、この技術は救難任務において重要です。

配属基地

救難員は全国の様々な基地に配属され、各地の救難隊で活動しています。主な配属基地には、千歳基地、秋田分屯基地、松島基地、新潟分屯基地などがあります。これらの基地で彼らは日々訓練を重ね、任務に備えています。

知識や技術、体力、精神力を総動員して活動する航空自衛隊の救難員。彼らは、困難な状況下で人命を救うために、常に準備と研鑽を続ける重要な存在なのです。

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