傷病

傷病についての詳細

傷病（しょうびょう）は、疾患と外傷の両方を含む広範な概念であり、正常な身体機能や形態が内因または外力によって損なわれた状態を指します。この状態にある人々は「傷病者」と呼ばれ、医療の観点からも多様なアプローチが求められます。

疾患と外傷の曖昧な境界

傷病という用語は、疾患（病気）と外傷（けが）を合わせて表現しますが、実際にはこの二つを明確に区別することは難しい場合があります。たとえば、骨折は外傷によって起こることが多いですが、背景に疾患が存在する場合もあります。具体的には、くる病や多発性骨髄腫のような疾患が原因で骨折が生じるケースがあるため、そうした場合は疾患の一部として考えた方が適切です。さらに、骨粗鬆症の患者が転倒によって骨折をした場合には、それを単なる外傷として捉えることができません。このように、外的要因と内的要因が絡み合うケースが多いため、医療現場ではより複雑な判断が求められます。

医療における傷病の扱い

医療領域では、外傷の治療を行う際にも基礎疾患への考慮が不可欠です。たとえば、転倒によって怪我をした場合、失神を引き起こす疾患（てんかんや不整脈、起立性低血圧など）が隠れている可能性があります。このため、外傷の治療だけでなく、その根本的な要因を明らかにするための診察も必要となります。こうしたアプローチは、疾患の診療と根本的には異なりません。

WHO（世界保健機関）では、傷病全般の分類をICD-10（国際疾病分類第10版）としてコード化しています。このように、疾患と外傷を厳密に区別する必要がないとされ、医療においては一貫した治療方針が求められているのです。

まとめ

傷病という言葉は、疾患と外傷が重なる複雑な状況を示すものです。そのため、適切な診療を行うためには、この区分における柔軟な視点と包括的なアプローチが不可欠です。その結果、安易な分類に依存せず、患者の状態を正確に把握し、最善の治療を行うことが求められます。

関連項目

• - 傷病手当金

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