敦儀親王

敦儀親王について

敦儀親王（あつのりしんのう）は、平安時代中期の皇族として名を馳せた人物であり、三条天皇の第二皇子です。彼は官位として三品・式部卿を所持し、別名では岩蔵式部卿宮とも呼ばれます。

経歴の概要

敦儀親王の歴史は、寛弘8年（1011年）の父、三条天皇の即位に始まります。同年10月、敦儀親王は弟の敦平親王と共に親王宣下を受けました。長和2年（1013年）には、同じく敦平親王とともに清涼殿で元服を迎え、名高い藤原道長の手によって加冠を受けました。

その後、彼は同年の6月に中務卿に任命され、官職を持つ皇族としての地位を確立しました。しかしながら、長和5年（1016年）、三条天皇が譲位した際、春宮となった敦明親王への不安を抱えていた母后の娍子は、実資に敦儀親王を次の皇嗣にすることを相談しましたが、彼はその提案を拒否しました。このことから、道長は敦明親王を春宮から辞退させ、結果的に皇統は三条天皇系から遠のくこととなりました。

官歴の詳細

敦儀親王は後一条朝の寛仁4年（1020年）に式部卿に転任しました。彼の私生活においては、中納言・藤原隆家の長女との結婚が決まるものの、藤原道長の不興を買い、婚儀は翌年の治安元年（1021年）に延期されることとなりました。このように、彼の家柄や地位が影響を及ぼした複雑な事情が見受けられます。

また、長元元年（1028年）に妻である隆家の長女と死別し、長元3年（1030年）8月19日には大雲寺において出家することを決意しました。彼の法名は悟覚で、号は南泉房とされました。出家後は岩蔵に住居を構え、静かな生活を送りました。彼の生涯は、平安時代の文化や皇族としての義務を担うところが大きな意義を持ちました。

最期

敦儀親王は後冷泉朝の天喜2年（1054年）7月11日に62歳で薨去しました。彼の死は、当時の宮廷において大きな影響を与えるものであり、歴史的にも重要な出来事とされます。

官歴のまとめ

• - 寛弘8年（1011年）

- 10月5日：親王宣下

• - 長和2年（1013年）

- 3月23日：元服
- 6月23日：中務卿

• - 寛仁4年（1020年）

- 1月30日：式部卿

• - 長元3年（1030年）

- 8月19日：出家（三品式部卿）

• - 天喜2年（1054年）

- 7月11日：薨去

敦儀親王の生涯は、平安時代の宮廷における複雑な人間関係や政治的背景を物語っており、皇族としての役割やその後の影響についても多くの考察を促すものです。

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