敦賀バイパス

敦賀バイパスと敦賀防災：福井県敦賀市の交通ネットワークを支える道路事業

敦賀バイパスは、福井県敦賀市内の国道8号のバイパス道路として、市街地の交通渋滞緩和と北陸自動車道へのアクセス向上を目的に整備されました。起点である敦賀市田結から終点の小河口までの全長8.2kmに渡り、4車線道路（一部区間は暫定2車線）が整備されています。設計速度は80km/h、道路規格は第3種第1級です。

敦賀バイパスの整備経緯

敦賀市街地を通る国道8号は、敦賀駅周辺の気比神宮交差点～白銀交差点間を除き、2車線道路で道路幅員も狭隘でした。加えて、1996年には敦賀港のフェリー埠頭が市街地から北の鞠山に移転したことで、港へのアクセス道路の整備が急務となりました。これらの課題を解決するため、敦賀バイパスの整備が計画されました。

1972年度に事業化され、1976年度に着工。1989年には敦賀IC前後の2.1km区間が4車線で開通しました。その後、段階的に整備が進められ、1996年には田結～河原町間（3.4km、2車線）が開通。そして、2008年11月15日、坂ノ下～小河口間（2.7km、2車線）が開通したことで、敦賀バイパスは全線開通を迎えました。全線開通により、国道8号現道に残っていた最後の鉄道との平面交差部であった名敦国道踏切（JR小浜線）も解消されました。バイパス開通による旧道区間では交通量が大幅に減少したため、4車線だった区間は歩道の拡幅と2車線への再整備が行われました。

敦賀バイパスは、敦賀駅東交差点と吉河交差点を除き、信号機のない立体交差となっています。また、余座～坂ノ下間は4車線、田結～余座間と坂ノ下～小河口間は暫定2車線で供用されていますが、将来的には全区間4車線化が計画されています。小河口から疋田（国道8号米原・京都方面と国道161号京都方面の交点）までの区間はすでに4車線への拡幅が完了しています。樫曲トンネルと田結トンネル間は中池見湿地の近くを通っています。

敦賀防災：敦賀バイパスを支える道路改良事業

敦賀防災は、敦賀バイパスの北部、敦賀市挙野から田結に至る国道8号の道路改良事業です。海岸線に沿って狭隘で勾配の厳しい区間を、山側にトンネルを新設することで、カーブや勾配を緩やかにし、安全性を向上させることを目的としています。

事業対象区間は全長3.8kmで、道路規格は第3種第2級、車線数は2車線、設計速度は60km/hです。事業費は約150億円とされています。2018年度に事業化され、2022年5月22日に工事が着工しましたが、完成時期は未定です。

敦賀バイパスの位置関係

敦賀バイパスは、新潟方面からの国道8号である敦賀防災と接続し、既存の国道8号（現道）と塩津バイパスへと続きます。

まとめ

敦賀バイパスと敦賀防災は、敦賀市の交通ネットワークを大きく改善し、地域経済の発展に貢献する重要な道路インフラです。これらの事業を通じて、交通渋滞の緩和、安全性の向上、地域住民の利便性向上などが期待されています。今後も、これらの道路の維持管理と更なる整備が、敦賀市の発展にとって重要な課題となるでしょう。

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