敦賀湾－伊勢湾構造線

敦賀湾-伊勢湾構造線（TITL）について

敦賀湾-伊勢湾構造線（Tsurugawan-Isewan Tectonic Line：TITL）は、敦賀湾から伊勢湾へと続く、全長約185kmに及ぶ地殻構造の境界線です。この構造線は、中部マイクロプレートと近畿マイクロプレートという二つの地殻プレートの境界を形成しており、地質学的に非常に重要な意味を持っています。

構造線の特徴

この構造線は、岡山俊雄氏によって1956年にその存在が指摘され、注目を集めました。構造線は、北から順に甲楽城断層、柳ケ瀬断層、関ケ原断層、養老断層、そして伊勢湾断層といった複数の活断層群によって構成されています。これらの断層は全体として左横ずれの動きを示すことが特徴で、その活動範囲は約150kmに及びます。

第四紀における日本列島の地殻変動期において、この構造線は地殻の折れ曲がりを引き起こした場所の一つであり、西南日本の地殻変動区である近畿三角帯の北東端に位置します。このため、近畿地方の地質構造の形成と発達の歴史を理解する上で、この断層帯は非常に重要な役割を果たしていると考えられています。

関連する地震

この構造線に沿って発生した主な地震としては、以下のようなものがあります。

1586年 天正地震: この地震については、正確な震源地やマグニチュードは不明です。
1909年 姉川地震: マグニチュード6.8を記録しました。
1945年 三河地震: マグニチュード6.8を記録しました。

これらの地震は、この構造線が活動的な断層帯であることを示しており、今後も注意が必要とされています。

構造線の重要性

敦賀湾-伊勢湾構造線は、単なる地殻の境界線ではなく、日本列島の地質構造を理解する上で不可欠な要素です。この構造線の活動は、過去の地震災害を引き起こしてきただけでなく、将来の地震発生リスクを考える上でも非常に重要です。

この構造線の研究は、地震発生メカニズムの解明や、防災対策の策定に役立つことが期待されます。

参考文献

地震調査研究推進本部
柳ヶ瀬・関ケ原断層帯の長期評価について 平成16年1月14日
「活断層の追加・補完調査」成果報告書 No.H22-3 (PDF)

関連項目

中央構造線
飛騨外縁構造線

外部リンク

* 金折裕司、川上紳一、矢入憲二、近畿地方に被害を与えた歴史地震（M≧6.4）の時空分布に認められる規則性 花折断層-金剛断層線と敦賀湾-伊勢湾構造線の活動 応用地質 Vol.33（1992 - 1993） No.4 P187 - 201

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