文化勲章 (韓国)

文化勲章について

文化勲章（ぶんかくんしょう、문화훈장）は、大韓民国における勲章の一つで、文化芸術の発展に著しく貢献した人物に贈られます。1951年12月22日に制定された文化勲章令によって創設され、その後、賞勲法による規定を経て、現在に至ります。一時廃止された時期もありましたが、1973年に再制定されました。

授与対象

文化勲章は、賞勲法第17条3項に基づき、「文化芸術発展に功績を立てて国民文化向上及び国家発展に寄与した功績が明確な者」に授与されます。具体的には、小説家、画家、舞踊家、漫画家、近年では映画監督や芸能人など、幅広い分野で活躍する人物が対象となります。また、外国人にも授与されることがあり、例えば、日本では民藝運動家の柳宗悦が、その朝鮮文化保護の功績により没後追贈されています。

等級

文化勲章は、5つの等級に分かれています。各等級の名称は、賞勲法施行令第11条によって定められています。当初は3等級でしたが、1973年の再制定時に5等級に改められました。また、文化勲章の下位には、賞勲法第26条3項で規定される文化褒章が存在します。

意匠

文化勲章の各等級の意匠は、賞勲法施行令第13条によって詳細に定められています。基本構成は、章と綬からなる正章、襟章、そして略綬です。さらに、上位2等級である金冠章と銀冠章には副章が加わります。

章飾の意匠は、中央の紅玉円板にあしらわれた世宗の肖像から伸びる八稜の太陽光線と、マルタ十字様の四稜の赤色光線が重なり合った独特な形状をしています。正章には、月桂冠とペン一対を組み合わせた鈕が付いています。綬は、白地を基調とし、両端に赤線が入っており、等級が上がるにつれて細線が1本ずつ増え、金冠章では太線1本になります。綬の線数と太さによって等級が区別されます。

正章の佩用方法は、金冠章が右肩から下げる大綬章、銀冠章・宝冠章が喉元に帯びる中綬章、玉冠章・花冠章が左胸に佩用するロゼット付き小綬章です。上位2等級の副章はいずれも左胸に佩用する星章です。文化褒章は、玉冠章・花冠章と同じロゼット付き小綬章ですが、金属部品は銀色で、綬は白地の中央に赤線が1本入ります。

かつては女性用の金冠章の寸法が男性用よりも小さく規定されていましたが、2015年12月31日の賞勲法施行令改正により、男性用と同じ寸法に統一されました。


文化勲章は、韓国の文化芸術の発展に大きく貢献した人物を顕彰する重要な勲章であり、その意匠や等級には、歴史と文化が反映されています。

脚注

（参考資料として、以下外部リンクに示された行政安全部や国家記録院のページもご参照ください。）

行政安全部 文化勲章
行政安全部 文化褒章
国家記録院 文化勲章

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